三井住友フィナンシャルグループ、日本総合研究、日本電気が専用環境におけるAIアシスタントツール「SMBG-GPT」の実証実験を開始

■日本マイクロソフトのクラウドサービスを活用した金融AIの導入に向けた実証実験

 三井住友フィナンシャルグループ<8316>(東証プライム)(SMBCグループ)、日本総合研究、日本電気<6701>(東証プライム)(NEC)は4月11日、日本マイクロソフトのクラウドサービスであるMicrosoft AzureのSMBCグループ専用環境上で構築するAIアシスタントツール「SMBC-GPT(※1)」の本格的な導入に向けた実証実験を開始すると発表。

(※1)GPTとはGenerative Pre-trained Transformerの略。文章の意図を解釈し自然な言葉の文章を生成する技術である。大量の文章データを学習して、高度な文章処理を行うことができる。

■社内従業員のみ利用可能な「SMBC-GPT」による情報保護

 「SMBC-GPT」は、Azure OpenAI Service(※2)を活用したAIアシスタントツールである。SMBCグループ専用環境上で動作するチャットツールとして、情報が社外に流出しないプロトタイプを構築し、社内従業員のみ利用可能とする。先進的な技術である大規模言語モデルを活用することにより、従来のチャットボットと比べ、より高度かつ自然な文章を生成することが可能になる。従業員が「SMBC-GPT」に質問をすることで、文章の作成、要約、翻訳、ソースコードの生成などをチャット形式で手軽に行うことが可能で、情報収集などにかかる時間が減り、生産性の向上が期待できる。

(※2)Azure OpenAI Serviceとは企業に求められるセキュリティやデータ保護を備えながら、OpenAIと同じ大規模言語モデルの利用が可能なサービス。公平性、信頼性と安全性、プライバシーとセキュリティ、包括性、透明性、説明責任というマイクロソフトの“責任あるAI”原則に基づいて顧客へ提供される。

 日本総研、NECは、日本マイクロソフトと共に、SMBCグループの独自情報について回答を可能とすることに加え、更なる回答精度の向上に向け、AIモデルの調整・最適化を行う。また、従業員の幅広いニーズに対応した汎用的なAI学習を実現するためのシステムインフラを整備し、自然言語処理だけではなく、画像認識、音声認識、開発高度化などの分野でも幅広く活用していけるよう様々な機能レベルアップを進め、「SMBC-GPT」を多様な分野に活用できる金融AIへと推し進めていく。

 具体的には、顧客が希望される手続に対し、従業員が「SMBC-GPT」を活用し、顧客への迅速なご案内が可能となるツール等の開発を進めていく。また、AIが収集・分析した市場動向や外部環境などの情報を活用し、各種企画資料や顧客への情報提供資料の作成をサポートする。

 なお、AIの回答内容の正確性は従業員が判断することを徹底するとともに、外部AIの利用を禁止していることを改めて社内研修等にて周知する一方、AIに関する規制等の最新動向を踏まえ、社内の規程・ガイドラインを順次見直ししていく。

 SMBCグループは、AIのリスクに対する取り組みと同時に、先進的な技術の活用にも積極的に取り組んでいる。技術の進歩を追いかけるだけでなく、新しい技術を取り入れることで、顧客により良いサービスを提供することを目指す。

 NECは、AIをはじめとする先進技術や情報を安全に活用し、SMBCグループのDXの実現をサポートする。並びに、今回の実証実験で得られる知見を活かしながら、今後も顧客のDX実現を推進する。

(参考)マイクロソフトコーポレーションと三井住友フィナンシャルグループは2022年1月に戦略的パートナーシップ契約を締結している。両社は、SMBCグループのDXを加速するとともに、日本および世界における業界の変革を推進するために、様々な革新的ソリューションの提供を共同で行うこととしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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