【話題】日清食品が植物由来の「プラントベースうなぎ」を発表、本物そっくりの食感と見た目!

■ウナギの資源減少に対抗

 日清食品ホールディングス<2897>(東証プライム)は、動物由来原料を一切使用せずに「プラントベース(植物由来)うなぎ」の開発に成功した。この取り組みは、ウナギの資源減少や価格上昇による危機的な状況下で、豊かな日本の食文化を守るための一環として行われた。ウナギは絶滅危惧種に指定されており、養殖も天然資源に依存している。しかし、シラスウナギの漁獲量の減少や完全養殖のコスト問題などが課題となっている。

 同社は「東京栄養サミット2021」に合わせて、栄養改善と持続可能な食料システムの実現に向けたコミットメントを策定した。その一環として、「プラントベースうなぎ」の開発と商品化に取り組み、持続可能な食料システムの構築に貢献している。

■3層の生地を作ることで食感を再現

 「プラントベースうなぎ」の開発には、本物の「うなぎの蒲焼」に近い食感と見た目を実現するという大きな課題があった。このため、3層の生地を作ることで食感を再現している。白身層では粒状大豆たん白を使用し、ふわっとしながらも繊維感のある食感を追求した。中間層では植物油脂などを用いてうなぎの身と皮の間の脂身のとろりとした食感を再現した。さらに、竹炭粉末を使用することで、うなぎの蒲焼特有の黒さを表現している。また、見た目の再現のためには専用の金型に生地を詰めて蒸し、タレを塗り、炙って焼き目をつける工程が重要。

 リアルな食感や見た目を追求しながらも、動物由来原料を使用せずに開発された。これにより、ウナギの資源を節約し、持続可能な食料システムの構築に寄与することが期待される。また、プラントベースうなぎの開発は、日本の食文化を守る重要な役割を果たす。ウナギは古くから高級食材として親しまれ、日本料理の一つである「うなぎの蒲焼」はその代表的な料理の一つ。しかし、ウナギの資源減少や価格上昇により、この食文化が失われる可能性がある。

■最新フードテクノロジーで開発、持続可能な社会の実現へ

 日清食品の取り組みにより、プラントベースうなぎが市場に登場することで、多くの人々が「うなぎの蒲焼」を楽しむことができる。食感や見た目が本物に近いため、食の喜びや満足感を提供することが期待される。さらに、プラントベースうなぎの普及により、ウナギの需要が減少し、資源の保護に寄与することができる。

 最新フードテクノロジーによる「プラントベースうなぎ」の開発は、持続可能な食料システムの実現と日本の食文化の保護を目指す試み。豊かな日本の食文化を守りながら、環境負荷を軽減し、資源の節約に寄与することで、より持続可能な社会の実現に貢献していく。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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