ホンダが2026年からF1復帰を発表、カーボンニュートラルと電動化の両立を目指す

■アストン・マーティンと共にチャンピオンを狙う

 2026年からホンダ(本田技研工業)<7267>(東証プライム)は、2021年に撤退していたFIAフォーミュラ・ワン世界選手権(F1)への参戦を発表した。この参戦に伴い、Aston Martin Aramco Cognizant Formula One Team(アストンマーティン・アラムコ・コグニザント・フォーミュラ・ワン・チーム)との間で、新レギュレーションに基づくパワーユニットの供給契約を結ぶことになった。

 F1は、2030年までにカーボンニュートラルを実現することを目指しており、2026年以降は100%カーボンニュートラル燃料の使用が義務付けられる。さらに、エンジンと電動モーターの出力比率も変更され、エンジン出力と電動モーター出力が同等になる新システムが導入される。

 同社は、これらの新レギュレーションに合致するため、F1参戦を決定した。カーボンニュートラルの方向性と一致するこの決断は、将来の技術開発に大きな意義を持つ。2022年からは、モータースポーツ活動を統括するホンダ・レーシング(HRC)が、F1パワーユニットの開発とレース参戦・運営を担当する。

■小型・軽量・高出力のモーターとバッテリー開発が鍵

 ホンダの三部敏宏代表執行役社長は、F1が同社のカーボンニュートラルの方向性と合致するサステナブルな存在であり、電動化技術の促進に役立つプラットフォームであるとコメントしている。新たなレギュレーションでは、小型・軽量・高出力のモーターや大電力バッテリーのマネジメント技術が成功の鍵となる。これらの技術とノウハウは、量産電動車の競争力向上にもつながると期待されている。

 また、Aston Martin Aramco Cognizant Formula One Teamとのパートナーシップにより、2026年から共にチャンピオンを目指すことになった。FIAが環境保全とレース活動の共存を図るために導入した新レギュレーションへのチャレンジングな決断に敬意を表し、Formula One Groupにも感謝の意を示している。

 同社の参戦は、持続可能な未来への取り組みと電動化技術の進化に対する積極的な姿勢を反映している。2026年以降のF1は、カーボンニュートラル燃料の使用とエンジンと電動モーターの出力バランスの変化により、より持続可能なレースシリーズへと進化することが期待されている。

 F1参戦により、電動化技術の研究開発が進み、競技車両から得られるノウハウは量産車にも活かされる可能性がある。さらに、将来の分野にも展開される可能性があるeVTOLなど、さまざまな領域での応用も期待されている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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