積水化学工業、国内初となるペロブスカイト太陽電池をビル外壁に実装、大阪本社リニューアル工事

 積積水化学工業<4204>(東証プライム)は5日、大阪本社が入居する堂島関電ビルに国内で初めてフィルム型ペロブスカイト太陽電池を実装したと発表(日本国内における建物外壁へのフィルム型ペロブスカイト太陽電池「常設設置」として2023年10月4日現在、同社調べ)。

 2050年のカーボンニュートラル実現に向けて再生可能エネルギーの拡大が求められる中、同社が開発中のフィルム型ペロブスカイト太陽電池は軽量で柔軟という特長があり、シリコン系太陽電池では設置が難しかったビルの外壁などへの設置が可能となる。

 現状、国内では既存建物外壁にフィルム型ペロブスカイト太陽電池を実装した例はないが、今回、〝地上12階の風荷重に20年相当耐え、安定した発電性能を維持した設置方法″を積水樹脂<4212>(東証プライム)と共同検討、「フィルム型ペロブスカイト太陽電池付き建材パネル」を完成させ、設置を行った。

 両社が入居する堂島関電ビルは大規模リニューアル工事を実施中であり、2025年4月に完工予定である。当該工事に合わせてペロブスカイト太陽電池を壁面に設置することで、ビルの環境負荷低減に加え、ペロブスカイト太陽電池による発電量のモニタリングや経年変化など、長期的な品質評価に活用する。

 今回の設置方法における発電効果測定、予測値と実測値の検証に加え、既存建物外壁への設置・施工方法の検討を更に進めていく。

 本年度から本格化している各種用途における技術検証と並行し、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金も活用することで、1m幅での製造プロセスの確立、耐久性や発電効率の更なる向上に向けた開発を加速し、2025年の事業化を目指していくとしている。

【設置工事の概要】

・所在地:大阪府大阪市北区西天満2-4-4
・構造規模:SRC造 地上12階・地下2階
・建物所有者:関電不動産開発株式会社
・設計施工:株式会社大林組
・施工概要:約1㎡のパネル合計48枚を地上12階部分の南側壁面に取り付け
(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■価格改定効果に加え9月以降の値上げで業績上乗せが期待される銘柄  今週の当コラムは、9月に価格改…
  2. ■9月1日に値上げラッシュの食品株は日銀バトルで小緩んでも株高持続性  まさに「パウエル・プット」…
  3. ■メガバンク株は業績修正や自己株取得が焦点、再編思惑も視野  銀行株やコメ関連株は盆休み明けの注目…
  4. ■日経平均史上最高値更新、夏枯れ懸念を払拭  前週末15日のマーケットは、お盆を象徴するかのように…
  5. 【ダブルセット・フルセット銘柄、夏休み明けも底堅さに期待】 ■上方修正・増配・株式分割の好材料銘柄…
  6. ■上方修正・下方修正問わず買い集まる異例の展開  3連休入りした9日の成田空港では、夏休みを海外で…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る