建設技術研究所、首都圏を対象に気候変動に伴う異常渇水を事前に予測し、対応できるリアルタイム低水予測システムを開発

 建設技術研究所<9621>(東証プライム)は、利根川・荒川・多摩川水系を対象に、1か月先の気象予測データ(気温や降水量)を用いた河川の低水流量予測システムのプロトタイプを構築したと発表。気候変動等に伴う異常渇水を予測し、水不足の情報を事前に配信することにより、利水関係者による対応の適正化・効率化の実現や、事業者や住民の節水意識向上等の効果が期待される。

■背景

 気候変動による影響は、頻発化・激甚化する洪水被害が注目されているが、世界的には中国や米国等における異常渇水の発生など利水被害も深刻で、わが国も例外ではありません。このような異常渇水に対しては、長期的な気象予測をもとに、河川流量を予測しながら、適切な水運用を行うことが求められている。

■技術の特徴、詳細

 異常渇水による甚大な被害が想定される首都圏の水がめである利根川・荒川・多摩川水系を対象に、精度向上が顕著な気象予測データと流出予測技術を活用した低水予測システムを開発した。

 同システムは、(一財)気象業務支援センター(JMBSC)から毎週配信される1か月先の予測雨量をもとに、流域からの流出量と河川流量を予測し、流況に応じたダムからの補給や取水制限など渇水時の運用を考慮・反映できるようにしている。

 予測結果の配信は、当社開発のRisKma(水災害リスクマッピングシステム)と連動させることにより、行政、民間等幅広い利水関係者への情報提供や合意形成の一助としていただくことを想定している。

■今後の展望

 首都圏を対象とした本システムの本格的な稼働は2024年度を予定している。現在は、首都圏のみを対象としているが、今後は全国版へと拡張し、日本全域の渇水リスクに対応していくとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  2. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…
  3. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  4. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る