【編集長の視点】グリーンズは1Q大幅続伸・高利益進捗率業績をテコに割安インバウンド株買いが拡大し3連騰

編集長の視点

 グリーンズ<6547>(東証スタンダード)は、前日11日に63円高の1915円と変わらずを含めて3営業日続伸して引け、今年11月24日につけた上場来高値2028円を視界に捉えた。今年11月13日に発表した今2024年6月期第1四半期(2023年7月~9月期、1Q)業績が、前年同期に比べて2倍超の増益で着地し、今6月期通期予想業績に対して高利益進捗率を示したことをテコに割安インバウンド関連株買いが増勢となった。テクニカル的にも上場来高値更新とともに25日移動平均線が、75日移動平均線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆しており、一段の上値期待を高めている。

■客室稼働率が高水準をキープし客室単価は過去最高更新

 同社の今期1Q業績は、売り上げ100億3200万円(前年同期比17.8%増)、営業利益16億500万円(同2.26倍)、営業利益15億5000万円(同2.40倍)、純利益15億3400万円(同2.70倍)で着地し、大幅黒字転換した前年同期に続く大幅増益となった。店舗数97店、客室数1万4407室の稼働率が、前年同期とほぼ同水準の80%と高稼働し、客室単価も、地域需要に応じたレベニューマネジメントを強化したことなどから今年8月度に9457円と2023年5月の過去最高9042円を更新するなど、前年同期を24.7%も上回ったことなどが要因となった。1Q利益は、市場コンセンサスを約3億円オーバーするとともに、6月期通期予想業績に対する進捗率は、43%~46%と目安の25%を大きく上回った。

 今6月期通期業績は、売り上げ380億円(前期比4.3%増)、営業利益37億円(同0.1%増)、経常利益34億円(同2.6%減)、純利益33億円(同21.3%減)と予想され、配当は、年間20円(前期実績9円)と大幅増配が予定されている。経常利益と純利益は、税負担の平準化から減益転換と見込まれているが、今期1Q業績の高利益進捗率から業績の上ぶれが期待されている。同社は、前期業績も期中に2回上方修正し増配も発表しており、再現の可能性は大きい。

■GC示現でPER8倍の修正に弾みをつけ上場来高値奪回に再発進

 株価は、今年2月の前期業績の上方修正にインバウンド関連人気も加わって下値を切り上げる展開が続き、前期業績の2回目の上方修正では1495円、今期業績の発表では1888円まで買い進まれ、この調整安値1299円からは22物件のホテル賃借契約締結を手掛かりに1589円とリバウンドし、さらに今期1Qの好決算でストップ高を交えて上場来高値2028円へ急伸し25日線が75日線を上抜くGCを示現して上昇トレンド転換を示唆した。足元では、ストップ高で開けた窓埋めを続け、25日線で下値を確認してきたが、PERは8.0倍と割安である。最高値奪回に再発進し一段の上値追いの可能性も残る。(情報提供:日本インタビュ新聞・株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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