ピックルスホールディングスは24年2月期3Q累計順調、配当予想を上方修正

(決算速報)
 ピックルスホールディングス<2935>(東証プライム)は12月28日に24年2月期第3四半期累計連結業績を発表した。小幅ながら増収増益と順調だった。コンビニエンスストア向けの好調など増収効果でコスト増加を吸収した。そして通期も増収増益予想としている。第3四半期累計の利益進捗率が高水準であることを勘案すれば、通期利益予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。なお配当予想を上方修正し、前期比でも増配予想とした。また株主優待制度の優待内容(商品詰め合わせセット)決定も発表している。株価は急伸して戻り高値圏だ。上値を試す展開を期待したい。

■24年2月期3Q累計増益で高進捗、通期上振れ余地

 24年2月期第3四半期累計の連結業績は売上高が前年同期比6.6%増の332億55百万円、営業利益が3.7%増の14億58百万円、経常利益が3.7%増の15億44百万円、親会社株主帰属四半期純利益が5.6%増の10億33百万円だった。

 小幅ながら増収増益と順調だった。売上面ではコンビニエンスストア向けの好調に加えて、巣ごもり需要の反動減の影響が落ち着いたことも寄与した。利益面では調味料や包装材などの原材料価格上昇、物流費上昇、夏場の記録的猛暑による野菜価格高騰の影響を受けたが、増収効果で吸収した。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が114億85百万円で営業利益が7億51百万円、第2四半期は売上高が116億26百万円で営業利益が5億29百万円、第3四半期は売上高が101億44百万円で営業利益が1億78百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が23年2月期比2.8%増の422億円、営業利益が5.3%増の16億20百万円、経常利益が6.3%増の17億55百万円、親会社株主帰属当期純利益が1.0%増の11億50百万円としている。配当予想は12月28日付で期末2円上方修正して、23年2月期比2円増配の24円(期末一括)とした。23年2月期の22円には持株会社移行記念配当2円が含まれているため普通配当ベースでは4円増配の形となり、予想配当性向は26.3%となる。

 個人消費や原材料・エネルギーコストの動向に不透明感が強いものの、売上面は各種キャンペーンなどの販促活動、新規取引先の開拓、既存取引先の深耕などで増収を目指し、利益面は増収効果や生産効率改善効果などで増益を目指すとしている。またESGやSDGsへの取り組みも強化し、事業を通じてサステナブルな社会の実現に貢献するとしている。

 第3四半期累計の進捗率は売上高が78.8%、営業利益が90.0%、経常利益が88.0%、親会社株主帰属当期純利益が89.8%だった。通期予想を据え置いたが、第3四半期累計の利益進捗率が高水準であることを勘案すれば、通期利益予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は急伸して戻り高値圏だ。上値を試す展開を期待したい。12月28日の終値は1263円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS91円40銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の24円で算出)は約1.9%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1362円11銭で算出)は約0.9倍、そして時価総額は約162億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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