立花エレテックの前3月期連結決算は売上高、営業・経常益が最高を更新

■今期は米中貿易摩擦などで海外は減収予想だが連続最高益を計画

 立花エレテック<8159>(東1)が5月14日に発表した2019年3月期の連結業績は、製造業の設備投資、特に半導体製造装置関連、および自動車関連の投資を取り込み、売上高、営業利益、経常利益が過去最高を更新し、売上高は前期比2.6%増加して1828.75億円となり、営業利益は同3.1%増加して65.96億円となった。親会社株主に帰属する当期純利益は同8.1%増加して49.06億円となり、最高だった15年3月期の54億円に迫った。

■生産ラインや産ロボなどのM2M(機械間通信)ビジネスを強力推進

 FAシステム事業の売上高は107、23億円(前期比3.1%増)となり、同事業の営業利益は48.34億円(前期比2.6%増)となった。半導体デバイス事業の売上高は540.77億円(前期比1.3%減)となり事業営業利益は16億円(前期比1.0%増)となった。

■創立100周年を迎える2021年に向けAI・IoTに注力

 同社は現在、創立100周年を迎える2021年3月期を最終年度とする6ヵ年の中長期経営計画「C.C.J2200」(2016年3月期が初年度)を推進しており、18年3月期以降は、その本格的な刈り取り期と位置づけている。AI(人工知能)・IoT(モノのインターネット)時代に向け、ロボットを含む製造ラインや設備機械を機能的に連動させるM2M(機械間通信)ビジネスを強力に推進してきた。

 こうした展開を強め、更なるグループシナジーを追求する事を目的として、国内子会社の(株)高木商会を19年2月に完全子会社化した。また、同じく子会社の(株)テクネットについては、商流合理化のため、その商権を三重支店に移管し解散した。

 今期の連結業績見通しは、米中貿易摩擦等の影響を受けて、中国を中心に先行きは不透明な状況が続くものとの前提に立ち、海外子会社は減収を見込むとし、売上高は1830億円(19年3月期比0.1%の増加)とし、営業利益は67.20億円(同1.9%増)とした。連続最高を更新する。一方、親会社株主に帰属する当期利益は、前期に政策保有株式の売却益があったことの反動があり48.60億円(同0.9%減)、1株利益は192円56銭の見込みとした。(HC)

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