【マーケットセンサー】値上げラッシュで企業業績が急回復!トヨタを筆頭に上方修正銘柄が続出

■値上げ効果で史上最高益!トヨタを筆頭に業績上方修正銘柄が続出

 日本経済新聞の集計によると、2024年2月5日現在の決算発表において、5社に1社が業績上方修正を発表した。その後の発表も含めると、この比率はさらに高まっている。

 コスト増を価格転嫁する値上げが、業績上方修正の大きな要因となっている。例えば、トヨタ自動車<7203>(東証プライム)は今3月期の営業利益を4兆9000億円(前期比80%増)に上方修正し、時価総額が日本企業初の50兆円超となった。この修正要因の値上げ効果は1兆円に迫ると言われている。

■デフレ脱却への道筋?値上げと賃上げの好循環

 日本経済はデフレ脱却を目指しており、2%の物価上昇率達成にはコスト増の価格転嫁が重要な役割を果たしている。大企業が下請け企業の納入価格引き上げを受け入れていることからも、価格転嫁がスムーズに進んでいることがうかがえる。値上げ、業績拡大、春闘での物価上昇率を上回る賃上げ実現が実現すれば、消費者の購買力向上につながり、消費拡大の好循環が生まれる可能性がある。

■投資家注目の3点セット銘柄

 業績上方修正、増配、自己株式取得・消却などの資本政策を同時に実施する「3点セット銘柄」は、投資家にとって魅力的な存在である。デクセリアルズ<4980>(東証プライム)は、業績上方修正、年間100円への増配、自己株式取得を発表し、株価は上場来高値を更新した。

 手集計ではあるが22銘柄ほどの3点セット銘柄が存在しており、その多くは割安水準にあると考えられる。業績下方修正銘柄でも、自己株式取得で対応し配当を増配するケースもあり、投資家にとって注目すべき存在と言えるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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