【どう見るこの相場】預金口座から証券口座に振り替えて銀行株への順張りで岸田流シナリオの「貯蓄から投資へ」にトライ

■銀行と半導体、どちらが市場をリードする?

 今週は、週明けから「タカさんチーム」の出番が続きそうである。代表株の銀行株は、来週3月18日、19日に開催予定の日本銀行の金融政策決定会合でゼロ金利が解除され金融政策が正常化されるタカ派政策を一段と先取り、利ザヤ拡大期待を高めることになるはずだからだ。すでに前週末8日に銀行株は、メガバンクを含めて57銘柄が昨年来高値を更新し、そのうち13銘柄が上場来高値を更新し、東証プライム市場の値上がり率ランキングの第18位、21位には筑波銀行<8338>(東証プライム)と栃木銀行<8550>(東証プライム)の低位地銀株が並んだ。この先、銀行株の上値をどこまでプッシュするか、銀行株全般のどこにまで波及するか見定めスタンバイすることになる。

■半導体株、エヌビディアの失速で揺れる市場

 対して今週は、「ハトさんチーム」は分が悪そうだ。代表株の半導体関連株は、前週末8日に頼みの綱の画像処理半導体世界トップのエヌビディアが一時、974ドルと証券会社が引き上げた目標株価の1000ドル目前と迫ったものの、大引けでは5.55%と失速、急反落してしまったからだ。日経平均株価の4万円台乗せを牽引したのは、この指数寄与度の大きい半導体関連株であったが、前週7日には上場来高値更新のあと軒並み急反落し、8日は反発する銘柄、続落する銘柄と高安マチマチになっており、選別物色の展開に変わるかもしれない。

 「タカさんチーム」シナリオが頓挫するとすれば、来週の金融政策決定会合で期待のゼロ金利解除が空振りに終わるか、仮に何らかの金融政策正常化策が決定されても、材料出尽くしとして利益確定売りが先行するケースだろう。その場合、今週発表の経済指標でインフレ鈍化が示唆されFRB(米連邦準備制度理事会)が、3月19日、20日に開催を予定しているFOMC(公開市場委員会)へ向け、早期利下げのハト派政策への期待が高まるようなら、再び半導体関連株主導で日経平均株価の上場来高値追いの可能性も高まるかもしれない。

 当コラムでは以前、「あれかこれか」かあるいは「あれもこれも」かと自問自答したことがある。グロース株(成長株)とバリュー株(割安株)とでは、どちらがより勝ち組パフォーマンスが期待できるのか、どちらも同様の可能性がある全員勝ち組相場となるのかリサーチしたものだ。これが足元の日経平均株価の4万円台攻防局面では、「銀行株vs.半導体株」に変わってきたようにもみえる。銀行株に軸足を置きながら、半導体株にも保険を掛ける二刀流スタンスが望ましいが、資金的に機動性にも限界のある個人投資家には高い壁となる。

■貯蓄から投資へ、新NISAで変わる資産形成

 そこで、岸田内閣が推進中の「資産所得倍増プラン」が推奨の「貯蓄から投資」へのトライである。銀行に預けている預金を預金口座から証券口座に振り替えるだけで簡単に済む。しかもこの証券口座を新NISA(少額投資非課税制度)口座とすれば、ここから上がるキャピタルゲインや配当のリターンに課税されない。もちろん株式は元本保証でもなく、配当も確定利付きではない。しかし銀行に100万円を普通預金しても、年間利息が10円になるかならずやで、それが金融政策正常化で預金金利が引き上げられても10円、20円の底上げでしかない。しかも金融当局や東証が、一体となって証券市場改革を進め、上場会社に株主還元策の積み増しにプレッシャーを掛け続けている。おいそれとは、それを逆撫でするように減配や株価下落を容認することにはなりそうもない。すでにそう期待した資金が、銀行株に流入しているかもしれないが、その銀行株が上値を追えば、「援軍あり遠方より来る、また楽しからずや」とさらに新規資金の追加もありそうで、半導体株と同様に「買いが買いを呼ぶ」展開も想定させる。

■PBR・PER・配当利回りで見る投資チャンス

 問題は、これだけ多い銀行株のなかでどの銀行株にターゲットを絞るかである。PBR1倍割れでPERも1ケタ台、配当利回りも市場平均を上回る銘柄のオンパレードとより取り見取りとなって目移りがして当然である。もちろんメガバンクは外せないが、そのほか業績上方修正銘柄、増配銘柄、自己株式取得銘柄、さらに低PER・PBR・配当利回りランキングの上位銘柄など候補株は目白押しで、順張り・逆張りなどいかようにも投資スタンスを採ることも可能であり、岸田流シナリオの「貯蓄から投資へ」の期待に応えてくれそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■オーダーメイド開発と人材リスキリングで業務変革を伴走支援  ベルシステム24ホールディングス<6…
  2. ■調査件数拡大と効率化で追徴税額1431億円  国税庁は12月、令和6事務年度における所得税および…
  3. ■企業の6.5%がクマ出没による業務影響と回答、宿泊業で4割に迫る  東京商工リサーチ(TSR)は…
2026年2月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
232425262728  

ピックアップ記事

  1. ■地方銀行:収益改善、昨年11月の業績上方修正が寄与  昨年来高値更新銘柄の1割超を占める銀行株は…
  2. ■超短期決戦の総選挙で市場動向が政治判断に影響  いよいよ衆議院議員選挙だ。みょう27日に公示され…
  3. ■AI以外に目を向けよ、割安株に潜む上昇機会  1980年代のバブル相場では、産業構造改革で「軽薄…
  4. ■利上げと解散総選挙、日本経済の分岐点迫る  今週は、運命の1月22日、23日が控えている。1月2…
  5. ■上場来高値更新の金先物、産金・再資源化・再販株に資金集結  当コラムでは昨年来、何度も金関連株を…
  6. ■地政学リスクの影が迫る市場、ヘッジ先は金関連株にあり  しばしばニュースで報じられる高齢ドライバ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る