【どう見るこの株】サイエンスアーツは「Buddycom」導入拡大に生成AI関連株人気が底流して下値抵抗力を示す

■「バディコム」の無償提供とAI連携で注目

 サイエンスアーツ<4412>(東証グロース)は、前日13日に18円安の628円と反落して引けた。東証グロース市場指数が、1.58%安と反落したことから、3月5日に年初来高値745円まで買われていた同社株に利益確定売りが出た。ただ25日移動平均線を前に下値抵抗力も示しており、同社のデスクレスワーカーをつなげるライブコミュニケーションプラットフォーム「Buddycom(バディコム)」が、総務省の要請・協力により能登半島地震の災害対策関係機関に無償提供され、また生成AI(人工知能)ではバディコムとマイクロソフトの「Azure OpenAI Service」とを連携したことなどを手掛かりに押し目買いも交錯した。テクニカル的にも、今年2月以降25日移動平均線が、75日移動平均線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆しその25日線をキープしており、支援材料視されている。

■生成AIではマイクロソフトと連携し能登半島地震では復旧・復興支援

 「Buddycom」は、スマートフォンやタブレットにアプリをインストールしてトランシーバーや無線機のように複数人の間で音声ばかりでなくテキストチャット、画像までを共有できるコミュニケーションサービスで、これまでも無印良品の500店舗、IDOM<7599>(東証プライム)の中古車店舗、ニチイ学館の介護施設などにも導入され、同システムの国内シェアは3年連続トップで、基本特許を取得した米国では今年から販売開始を計画している。今回の能登半島地震では公共安全モバイルシステムの実証試験を終了後に、自治体・消防・自衛隊向けなどに無償提供するもので、関係機関間で災害現場の画像と映像情報などを共有しながら連携し、復旧・復興事業をサポートする。

 一方、今2024年8月期業績は、売り上げ10億300万円(前期比30.1%増)、営業利益2億100万円の赤字(前期は6700万円の赤字)、経常利益2億300万円の赤字(同6700万円の赤字)、純利益2億400万円の赤字(同8100万円の赤字))と見込んでいる。Buddycom事業で大口受注が続き契約社数が拡大するため売り上げは高成長するが、Buddycomの開発・販売強化のための人員増加で人件費負担が増し、知名度向上のために積極的に推進して広告宣伝費が増加することなどが要因となっている。

■GC示現で上昇トレンド転換を示唆し年初来高値抜けから昨年1月高値目指す

 株価は、Buddycomの新規導入や米国特許取得、生成AIでの連携などでストップ高する急騰習性を発揮する一方、決算発表時には下ぶれるなどやや値動きの荒い展開が続いたが、能登半島地震での無償提供が追撃材料になって年初来高値745円まで上値を伸ばし、25日線が75日線を上抜くGCを示現して上昇トレンド転換を示唆した。足元では高値もみ合いを続けているが、年初来高値抜けから昨年1月高値1020円を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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