IHI、F-35戦闘機エンジン部品を米国Pratt&Whitney社へ初出荷

■防衛事業におけるグローバル展開をさらに強化

 IHI<7013>(東証プライム)は5月30日、航空自衛隊でも運用されている最新鋭戦闘機「F-35」に搭載される「F135エンジン」の構成部品である第1段ファン一体型ローターの量産初品を、相馬工場(福島県相馬市)で製造し、4月26日に米国のPratt&Whitney社に向けて出荷したと発表。この部品は、最先端の接合技術を用いた高付加価値部品であり、P&Wのほかに製造能力を持つのは世界でもIHIだけである。今回の出荷は、IHIの防衛事業におけるグローバル展開をさらに進める重要な一歩となる。

 F135エンジンは、世界最新の再熱式ターボファンエンジンの一つであり、優れた先端技術が反映され、世界最大級の推力を発揮できる戦闘機用エンジン。このエンジンは、F-35プログラムとして世界18か国が参画している。IHIは、2017年から2022年にかけて航空自衛隊向けに同エンジンの新製エンジン納入および部品製造を行ってきた経験を基に、2022年にP&Wと契約を締結し、製造準備を進めてきた。本年4月にはP&Wから製造認可を取得し、併せて量産初品の出荷を達成した。

 今回のグローバル向け出荷を踏まえ、IHIは同部品において今後全世界の一定シェアを担うために必要な生産能力増強の準備を進めている。今回の出荷は今後の生産増加に向けた重要なマイルストーンである。また、IHIは同部品製造事業に加えて、F135エンジンのグローバル整備拠点(リージョナル・デポ)としての整備事業を2023年6月に瑞穂工場(東京都西多摩郡瑞穂町)で開始しており、今回のエンジン部品輸出事業は整備事業に続く新たなグローバル事業となる。IHIは引き続き、P&Wと協力して高品質な製品を提供し、防衛事業における競争力を強化し、グローバル展開を進めていく方針である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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