アステラス製薬がビロイ点滴静注用100mgを日本で発売、新たな治療選択肢を提供

■CLDN18.2陽性の治癒切除不能な進行・再発胃がんに対する新たな治療法

 アステラス製薬<4503>(東証プライム)は6月12日、CLDN18.2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃癌に対する治療薬「ビロイ点滴静注用100mg」を日本で新たに発売したと発表。この薬剤は、抗CLDN18.2モノクローナル抗体として世界で初めて承認されたもので、胃がんの進行・再発患者に対して新しい治療選択肢を提供する。同社はロシュ・ダイアグノスティックスと提携し、適切な患者を同定するための免疫組織化学染色コンパニオン診断薬を導入している。

 胃がんは日本で依然として高い死亡率を誇る疾患であり、2022年には12万6724人が診断されている。進行・再発胃がんの治療はこれまで困難とされてきたが、ビロイの登場により、CLDN18.2陽性の患者に対して新たな治療の希望が生まれることとなった。同新薬は、免疫系の異なる経路を活性化することにより、がん細胞を攻撃する仕組み。

 アステラス製薬は、ビロイの承認申請を複数の国と地域の規制当局に提出しており、審査中。同件は同社の業績に影響を与えると見込まれており、既に2025年3月期の連結業績予想に織り込まれている。ビロイの発売により、治癒切除不能な進行・再発の胃癌患者に新たな治療の可能性が広がることが期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■9割超が対策を実施も、「WBGT」の認知は依然として低調  帝国データバンクの調査により、「熱中…
  2. ■「変身と成長」掲げ1300億円の積極投資、収益構造の転換図る  吉野家ホールディングス<9861…
  3. ■人手不足を補いながら顧客満足度の向上に貢献  シャープ<6753>(東証プライム)は5月20日、…
2025年6月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

ピックアップ記事

  1. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  2. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…
  3. ■イスラエル・イラン衝突でリスク回避売りが優勢に  イスラエルのイラン攻撃を受け、13日の日経平均…
  4. ■ホルムズ海峡封鎖なら「油の一滴は血の一滴」、日本経済は瀬戸際へ  コメ価格が高騰する「食料安全保…
  5. ■トランプリスク回避へ、大谷・藤井・大の里株が浮上  『おーいお茶』を展開する伊藤園<2593>は…
  6. ■昭和の象徴、長嶋茂雄さん死去  またまた「昭和は遠くなりにけり」である。プロ野球のスパースター選…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る