富士紡HDが後場急伸、第1四半期決算など受け一時ストップ高、半導体向け事業好調で見直し買い

■営業利益は3.4倍、「超精密加工用研磨材」の受注が増加

 富士紡HD(富士紡ホールディングス)<3104>(東証プライム)は7月31日の午前11時30分に第1四半期決算と業績予想の増額修正を発表。株価は後場、急伸相場となり、13時にかけて一時ストップ高の5190円(705円高、基準値から700円高)まで上げ、14時を過ぎても15%高で推移し、東証プライム銘柄の値上がり率3位となっている。増額修正の幅は大きくないが、半導体製造用の超精密加工用研磨材が好調で、あらためて同社の事業内容に注目が集まったとの見方が出ている。

 第1四半期決算(2024年4~6月・連結)は、売上高が前年同期比22.0%増加し、営業利益は3.4倍となり急回復した。売上高104億円のうち構成比44%の46.2億円を占めた「研磨材事業」は、主力の超精密加工用研磨材が半導体デバイス用途(CMP)向けに「生成AIの急速な普及に伴うメモリや最先端ロジック向け半導体の需要増加、増産に伴う一部ユーザーの在庫水準の引き上げにより、受注が増加」(決算短信より)。「ハードディスク用途もデータセンター向け需要が戻り」(同)、この事業の営業利益は10億53百万円増益の11億47百万円となった。

 3月通期の連結業績予想は、「第1四半期の業績および今後の半導体需要等を勘案し」(同)、5月に公表した予想を全体に増額修正し、売上高は従来予想を7億円上回る427億円の見込みに見直し、営業利益は同2億円上回る54億円の見込みに見直した。営業利益などは上期の増額修正分しか投影していない印象があり、さらなる増額修正の余地があるとの見方が出ている。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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