【編集長の視点】マルマエは一転した業績修正・黒字転換を手掛かりに次期業績に期待して下値買い交錯

■ダブルボトムを形成し下値抵抗力を示す

 マルマエ<6264>(東証プライム)は、前日17日に20円安の1521円と続落した。日経平均株価が、378円安と続落し、半導体株も軒並み安と売られたことから、9月9につけた直近安値1370円からのリバウンド途上にある同社株にも目先の利益を確定する売り物が増勢となった。ただこの日の安値1498円からは小戻して引けており、下値買いも交錯した。9月12日に目下集計中の2024年8月期業績の一転した上方修正、一部利益の黒字転換を発表しており、10月11日に開示予定の次期2025年8月期の業績ガイダンスに期待して下げ過ぎ修正が期待されている。テクニカル的にも、日経平均株価が過去最大の下落幅となった8月初旬には年初来安値1280円をつけ、再波乱となった9月初旬も1370円で下げ止まりダブルボトムを形成し下値抵抗力を示していることも、フォローの材料視されている。

■半導体製造装置部品の設備投資を積極化し生産能力増強

 目下集計中の2024年8月期業績は、今年3月28日に下方修正されたが、その一部赤字転換した下方修正値が一転して上方修正された。売り上げは3月下方修正値より6900万円、営業利益は7800万円、経常利益は8100万円、純利益は2900万円それぞれ引き上げられ、売り上げ47億4900万円(前の期比30.8%減)、営業利益1億5500万円(同81.9%減)、経常利益4200万円(同94.6%減)、純利益2900万円(同95.8%減)と減収減益率の縮小を見込み、経常利益と純利益は小幅ながら黒字転換する。太陽電池製造装置向けで予定した約1億5000万円の受注は実現しなかったが、半導体製造装置向け部品では、顧客企業の在庫調整進展で消耗品の受注が拡大し、液晶(FDP)製造装置分野でも、G8OLED(有機EL)向けの受注が拡大したことなどが要因となった。

 一転した業績上方修正で、次期2025年8月期業績への期待も高まっている。同社は、目標業績の達成年度を1年先送りしたが、中期経営計画では2026年6月期に売り上げ140億円以上、営業利益42億円以上を目指している。このため生産能力の増強も続き設備投資計画は、2024年8月期の10億円が、次期2025年8月期24億円、2026年8月期18億円と推移し、製造能力は、2024年8月期の半導体製造装置部品の月産8億円、FDP部品の3億円が、2025年8月期に同9億円、3億円、2026年8月期同11億円、3億円に高まることになり、2025年8月には本社出水事業所での新工場建設も検討している。こうした成長戦略の再始動から次期業績への期待を高めているもので、10月11日の決算発表時の業績ガイダンスが注目される。

■1200円台で底値抵抗力を示唆しまず年初来高値調整幅の3分の1目指す

 株価は、今年3月の業績下方修正で1733円と調整し、AI半導体大手のエヌビディア関連の半導体株人気で2204円とリバウンドし、3Q営業黒字転換では2236円と上値を伸ばしてもみ合いとなり、日経平均株価の過去最大の下落幅に巻き込まれて年初来安値1280円へ急落した。同安値からは売られ過ぎとして1640円へ底上げし、全般相場の再波乱とともに1370円へ再調整し、戻りを試している。1200円台は、昨年10月安値1284円に並ぶ安値水準でこれを前に底値抵抗力も示唆しており、まず年初来高値2419円から同安値までの調整幅の3分の1戻しの1660円を奪回し、半値戻しの1710円を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞・株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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