明治、「きのこの山」の形状を立体商標で保護、模倣品対策強化

■税関での輸入差止めや製造中止合意など、具体的な対策事例を公表

 明治ホールディングス<2269>(東証プライム)傘下の明治は、1975年の発売以来、ロングセラー商品として親しまれている「きのこの山」のブランド価値を守るため、知的財産権を活用した模倣品対策を強化している。2018年3月には、40年以上の販売実績とマーケティング活動が評価され、食品業界では珍しい立体商標として「きのこの山」の形状が登録された。これにより、文字商標だけでなく、商品の特徴的な形状も法的に保護されることとなった。

 具体的な模倣品対策の事例として、2024年3月に発売された「きのこの山ワイヤレスイヤホン」の模倣品に対する取り組みが挙げられる。国内外のサイトで販売されていた模倣品について、明治は商標権侵害を確認し、税関に輸入差止申立てを行った。この申立ては6月14日に受理され、模倣品の輸入阻止につながった。また、同年3月には模倣品を製造していた会社との間で、製造・販売の中止に関する合意を得ることにも成功している。

 明治は、こうした権利行使が「きのこの山」ブランドと模倣品との混同を防ぎ、長年築き上げてきたブランド価値の保護につながると考えている。同社は今後も、顧客の信頼により築かれた大切なブランドを守るため、模倣品に対して適切な措置を講じていく方針である。知的財産を重要な経営資源と位置付け、知的財産活動を通じて事業運営を支え、中長期的な企業価値向上を目指す明治の取り組みは、ブランド保護の新たな形を示している。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■歯周病の進行抑制に向け、老廃物除去と免疫調整の2軸で研究  ライオン<4912>(東証プライム)…
  2. ■バリア性能と印刷適性を両立、2030年までに10億円売上目指す  大日本印刷<7912>(東証プ…
  3. ■胃がん・大腸がん対策で「Train the Trainerプログラム」を展開  オリンパス<77…
2025年9月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物相場を背景に産金株が収益拡大の余地を示す  東京市場では金価格の上昇を背景に産金株が年初来…
  2. ■大統領の交渉術が金融市場を左右し投資家心理に波及  米国のトランプ大統領は、ギリシャ神話に登場す…
  3. ■価格改定効果に加え9月以降の値上げで業績上乗せが期待される銘柄  今週の当コラムは、9月に価格改…
  4. ■9月1日に値上げラッシュの食品株は日銀バトルで小緩んでも株高持続性  まさに「パウエル・プット」…
  5. ■メガバンク株は業績修正や自己株取得が焦点、再編思惑も視野  銀行株やコメ関連株は盆休み明けの注目…
  6. ■日経平均史上最高値更新、夏枯れ懸念を払拭  前週末15日のマーケットは、お盆を象徴するかのように…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る