マーケットエンタープライズ、業務効率化と生産性向上を目的としたマーケットエンタープライズの生成AI活用について

■社内の生成AI利用率8割以上、1,878時間/月を捻出

 マーケットエンタープライズ<3135>(東証プライム)は10月21日、生成AIの積極的な活用による業務効率化や生産性向上及び社員のAIスキル向上を目的に、10月より社内向け生成AIを用いた有料版ツールの配布数を拡大したと発表。加えて、2024年10月21日(月)、専門性の高いリユース業務ニーズとナレッジ共有の対応や、バックオフィス業務の効率化を促進するために、RAGの利用を開始した。RAGは、生成AIモデルが知らない知識をデータソースから補完し、生成AIモデルが扱える情報を増やす手法。マーケットエンタープライズでは、生成AI活用による業務効率化と生産性向上に加え、生成AI活用の浸透度を高めることでグループ全体の成長を加速させていく。

■社内プロジェクト「生成AIプロジェクト」の発足と生成AIを用いた有料版ツール導入

 近年、目覚ましい発展を遂げている生成AI技術は、その革新性により様々な業務領域における効率化を実現する可能性を秘めている。マーケットエンタープライズでは、この生成AI技術の積極的な利用により、業務の効率化及び生産性向上が見込めると考え、「生成AIプロジェクト」を立ち上げた。このプロジェクトでは、生成AIの活用事例や有効的なプロンプト、利用時の注意点などのナレッジ共有を通じて、生成AI活用の浸透度を高めている。先月、社内で行なった調査※1.では、社員のほぼ半数からの回答にも関わらず、業務時に月に数回以上、生成AIを利用する従業員は既に8割を超え、生成AI活用により捻出する事ができた一月あたりの時間はトータルで1,878時間に達するという結果が明らかになった。こうした調査結果を踏まえ、マーケットエンタープライズでは、生成AIの更なる利用促進のため、10月より生成AIを用いた有料版の社内向けツールの配布数を拡大した。

※1.2024年9月にマーケットエンタープライズの社員を対象に実施。(有効回答数:219件)なお、ベトナムオフィスにおけるGitHub Copilot利用に関するデータを除く。

■RAG導入による業務効率化

【リユース業務でのナレッジ共有】

 マーケットエンタープライズでは、総合型リユースとして家電や楽器、パソコンやオーディオから農機具や車まで幅広い買取商材を扱っている。取り扱う商材が多岐にわたる性質上、従業員一人一人が幅広い商品知識を習得することが求められるが、商材に関する情報は日々アップデートされている。また、コンプライアンスに関する情報も膨大なため、必要な情報へアクセスするために時間を要するという課題を抱えていた。同社では、こうした課題を生成AIにより解決するため、RAGチャットによる社内情報検索システムを構築し、試験運用を開始した。従来は、ネット型リユース事業のスタンダードを確立するためのガイドブックとして、全4冊、1000ページ以上に及ぶスタンダードブックを使用していたが、従業員が必要な情報を迅速に検索することが可能になった。このブックには、商品の特性や買取業務に関する法令、業務フローからビジネスの心得、顧客へのホスピタリティについてなど、多岐にわたる内容が記されているため、これまで必要な情報まで辿り着くのに時間を要していた。RAG導入により、同社の買取サービスにおけるサービス品質を向上させた上で、時間短縮することが可能になった。

【社内利用ガイドラインや規定のデータベース化】

 社内規定やコンプライアンス情報などをRAGチャットに統合することで、従業員が必要な情報を迅速に検索することが可能になった。これまで、総務や労務などの管理部門には、証明書発行の手続きや転居などの申請に伴い、数多くの社員からの問い合わせが寄せられていたが、RAGチャットの活用により、担当者が対応する問い合わせ数の削減が見込める。管理部門の問い合わせ業務に関する負担を軽減し、バックオフィス業務の効率化を図っていく。

【RAG活用によって期待される効果】

・業務効率の向上:情報へのアクセス手段を改善することで、従業員の業務効率向上に貢献する。
・人材育成の効率化:初心者でも容易に商品知識を習得できる環境を整備することで、人材育成の効率化を図っていく。
・業務品質向上:経験の浅い社員でも、RAGチャットを活用することで業務に必要な情報や知識を効率良く取得することが可能になる。これによって、業務品質向上が見込まれる。
・社内の情報格差解消:事業拡大する中で分散してしまった情報を横断的に一括検索可能にすることで、所属や勤務地を理由とした情報格差を解消する。

 データや情報量が増加の一途をたどり、「タイパ」が重視される現代において、旧来型の文書検索では限界がある。自分にとって価値ある情報を迅速に取得することが可能になることで、問い合わせにかかる時間を短縮し、業務効率向上はもちろん、情報取得時に発生するストレス軽減を解消していく。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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