【注目銘柄】ユシロ化学はストップ高、業績上方修正で最高純益を伸ばし連続増配もオン

注目銘柄

■3分の2戻しを達成し、全値戻し期待高める

 ユシロ化学工業<5013>(東証スタンダード)は、前日11日に寄り付きから買い物を集めて買い気配値を切り上げ大引けでは比例配分で400円高の1947円とストップ高し急反発した。ストップ高気配でなお2万株超の買い物を残した。前週末8日に今2025年第2四半期(2024年4月~9月期、2Q)決算の開示とともに、今3月期通期業績の上方修正と連続増配を発表しており、超割安株買いが再燃した。テクニカル的にも、この日のストップ高で今年2月の年初来高値2316円から8月の年初来安値1287円までの調整幅の3分の2戻しを達成しており、全値戻し期待を高めている。

■南北アメリカが好調に推移し、価格改定・原価低減効果も寄与

 今3月期業績は、売り上げは期初予想通りとしたが、営業利益を10億6000万円、経常利益を13億円、純利益を10億円それぞれ引き上げ、売り上げ555億円(前期比31.0%増)、営業利益56億4000万円(同21.8%増)、純利益41億円(同36.2%増)と見込み、純利益は、前期の過去最高を連続して大幅更新する。同社は、切削油剤などの金属工作油剤の最大手で、中期経営計画では自動車メーカー向けにはEV化・ESG化に向けた新製品投入、非自動車向けでは航空機分野の拡大、新商材のヒカリアクション・自己修復性素材の事業化などを推進しており、2Qの南北アメリカセグメントの売り上げが116億1200万円(同17.5%増)、営業利益が18億9200万円(同53.2%増)と好調に推移し、価格改定・原価低減効果や一部有価証券売却益が上乗せとなったことなどが要因となった。

 今期配当は、今期からスタートしている新中期経営計画で配当性向を30%以上とする配当方針に従って年間90円(前期実績70円)に引き上げ連続大幅増配を予定している。

■なおPER6倍、PBR0.6倍、配当利回り5%と超割安で全値戻し挑戦

 株価は、前期業績の再上方修正と再増配を歓迎して年初来高値2316円まで急伸したが、この配当権利落ち後は、今期業績の続伸予想にも限定的な反応にとどまって下値を探り、今年8月の全般相場急落時には年初来安値1287円へ突っ込んだ。同安値からは今期第1四半期業績の大幅続伸着地などで売られ過ぎを修正してリバウンドし、年初来高値から同安値への調整幅の3分の1戻しとなる25日移動平均線を出没する中段固めを続け、業績上方修正・連続増配とともにストップ高した。それでもPERは6.4倍、PBRは0.61倍、配当利回りは5.03%と超割安であり、全値戻しの年初来高値2316円奪回が加速しよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国際特許分類や元素リストを用いて多様な解決策を自動生成  AGC<5201>(東証プライム)は1…
  2. ■Newton・GR00T・Cosmosを軸にロボット研究を高速化  NVIDIA(NASDAQ:…
  3. ■700億パラメータ規模の自社LLMを金融仕様に強化、オンプレ環境で利用可能  リコー<7752>…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  2. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…
  3. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  4. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  5. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  6. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る