【マーケットセンサー】地銀株が業績上方修正と株主還元で存在感増す:金利上昇と政策期待が後押し

■金利上昇と政策期待が後押し:地銀株が躍進

 金融市場で地方銀行株への注目が高まっている。金利上昇の影響を受けて業績が好調なうえ、新内閣の地方創生政策への期待も追い風となっている。メガバンクの第2四半期決算発表を控える中、地方銀行各社は業績上方修正や増配、自己株式取得などを相次いで発表し、存在感を増している。

 その代表格が第四北越フィナンシャルグループ<7327>(東証プライム)である。同行は今年7月の第1四半期決算開示時に2Q業績の上方修正と増配、自己株式取得、株式分割の株主優遇策を発表。さらに8日には3月期通期業績の上方修正と再増配を発表し、年初来高値を更新した。PERは9.4倍、PBRは0.4倍、配当利回りは4.1%と投資妙味の高い水準にある。このほか、いよぎんホールディングス<5830>(東証プライム)、三十三フィナンシャルグループ<7322>(東証プライム)、八十二銀行<8359>(東証プライム)など計7行が通期業績の上方修正を発表している。

 注目すべきは、武蔵野銀行<8336>(東証プライム)や池田泉州ホールディングス<8714>(東証プライム)など、すでに通期業績を上方修正した4行も低PER・高配当利回りを維持していることである。武蔵野銀行の配当利回りは4.15%、池田泉州HDは4.14%と魅力的な水準だ。また、東和銀行<8558>(東証プライム)やトマト銀行<8542>(東証スタンダード)など、2Q業績のみ上方修正した銘柄も、今後の通期業績動向が注目される。地銀株全体でバリュー株買いの流れが強まる可能性がある。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■全従業員にAI活用徹底、業務改革を本格化  LINEヤフー<4689>(東証プライム)は7月14…
  2. ■50年以上親しまれたかぜ薬が国内市場から姿を消す?  大正製薬は7月14日、塗るかぜ薬「ヴイック…
  3. ■鈴鹿8耐で新型CBコンセプト登場  ホンダ<7267>(東証プライム)は7月11日、大型ロードス…
2025年9月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■01銘柄:往年の主力株が再評価、低PER・PBRで買い候補に  今週の当コラムでは、買い遅れカバ…
  2. ■日米同時最高値への買い遅れは「TOPIXコア30」と「01銘柄」の出遅れ株でカバー  日米同時最…
  3. ■東京株、NYダウ反落と首相辞任で先行き不透明  東京株式市場は米国雇用統計の弱含みでNYダウが反…
  4. ■株式分割銘柄:62社に拡大、投資単位引き下げで流動性向上  選り取り見取りで目移りがしそうだ。今…
  5. ■金先物相場を背景に産金株が収益拡大の余地を示す  東京市場では金価格の上昇を背景に産金株が年初来…
  6. ■大統領の交渉術が金融市場を左右し投資家心理に波及  米国のトランプ大統領は、ギリシャ神話に登場す…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る