【マーケットセンサー】外部環境圏外で動くIPO株、逆行高に期待

■Will Smart、京王電鉄会長招聘で株価回復

 昨年4月にIPOを果たしたWill Smart<175A>(東証グロース)は、公開価格1656円からの出だしこそ低調であったが、その後1872円まで値を戻した。しかし2024年12月期業績の下方修正により740円まで急落する展開となった。ところが今年1月15日、京王電鉄<9008>の紅村康会長の顧問就任が発表されると、モビリティシステム開発への期待から一転して3連続ストップ高となり、1347円まで急反発する劇的な展開となった。

 2023年のIPO銘柄86社の動向を分析すると、Will Smartのようなリベンジ相場を見せる銘柄がある一方で、上場来高値を更新し続けるチャレンジ相場の銘柄など、4つのパターンに分化している状況が浮かび上がってきた。これは各銘柄固有のカタリスト次第で、独自の相場展開を見せている証左である。

 足元の相場環境は、米国のトランプ大統領就任や日銀金融政策決定会合など、不確実性の高い外部要因を抱えている。また「節分天井、彼岸底」という相場のアノマリーも意識される状況である。しかしながら、これら外部環境の影響を受けにくいIPO銘柄においては、個別のカタリストによる逆行高の可能性が残されている。86銘柄の中から有望銘柄を選別する手法は、投資戦略の有効な選択肢となるであろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■ガソリン・軽油の暫定税率廃止法成立  ガソリン暫定税率廃止法は11月28日に成立し、ガソリン税2…
  2. ■うつ・統合失調症・発達障害を脳から理解する、最前線研究を平易にまとめた一冊  翔泳社は11月25…
  3. 【新築マンションの短期売買を分析】  国土交通省は11月25日、三大都市圏および地方四市の新築マン…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■「大きく産んで小さく育てる」IPO市場、期待裏切る後半戦  48勝2分10敗である。2025年の…
  2. ■日銀イベント通過で円高前提、紙・パ株が師走相場の主役候補  今週のコラムは、日銀の金融政策決定会…
  3. ■FOMC通過も市場は波乱、金利と為替に残る違和感  FRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC(公…
  4. ■眠れる6900トンの金が動き出す、「都市鉱山」開発でリデュース株に追い風  今週の当コラムは、金…
  5. ■天下分け目の12月10日、FRB利下げで年末相場は天国か地獄か?  天下分け目の12月10日であ…
  6. ■AI・データセンター需要拡大に対応、測定能力は従来比最大2倍  リガク・ホールディングス<268…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る