【マーケットセンサー】ディフェンシブ投資の新たな選択肢:鍋料理関連株の魅力

■「天気敏感株」の本命はどこか?

 景気の影響を受けにくいディフェンシブ銘柄への注目が高まりつつある。東京市場でもこの流れを受け、「天気敏感株」と呼ばれる厳冬に関連する銘柄群が買い材料として浮上している。アパレル株や暖房器具株、タイヤ株といった季節感の強い銘柄の中で、鍋料理関連株も特に投資家の関心を集めている。

■鍋料理の需要増加とともに脚光浴びる関連銘柄

 鍋料理需要の増加に伴い、水産株や水産卸株が新たなマーク対象として浮上している。例えば、極洋<1301>(東証プライム)やニッスイ<1332>(東証プライム)、マルハニチロ<1333>(東証プライム)は、いずれも低PER(6~11倍)で、特に極洋とマルハニチロはPBRも1倍を下回る割安感が際立つ。また、水産卸株では大水<7538>(東証スタンダード)や中央魚類<8030>(東証スタンダード)などが、PER4倍~10倍と他業種と比較しても魅力的な水準にある。これらの銘柄は、鍋料理の需要が高まる冬場において、さらなる成長が期待されている。

 鍋料理関連株の魅力は水産業だけにとどまらない。練り製品を扱う一正蒲鉾<2904>(東証プライム)や紀文食品<2933>(東証プライム)は、季節需要に対応した製品群で需要増が見込まれる。さらに、鍋料理用固形燃料を提供するニイタカ<4465>(東証プライム)や、ガスコンロの岩谷産業<8088>(東証プライム)といった製造業も、堅調な業績が期待される分野だ。加えて、外食産業では東京一番フーズ<3067>(東証プライム)や関門海<3372>(東証スタンダード)などが投資の視野に入る。鍋料理関連銘柄は、幅広い業種にまたがる投資チャンスを提供している。

 ディフェンシブ銘柄への関心が高まる中、「天気敏感株」として鍋料理関連銘柄を注視することは、冬場の投資戦略において有効な選択肢となる。特に割安感が際立つ銘柄群は、長期的な視点でポートフォリオに組み込む価値がある。寒さが本格化するこれからの季節に向けて、投資家にとって「鍋料理」は、暖かい家庭の食卓だけでなく、資産形成においても欠かせないキーワードとなるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■全従業員にAI活用徹底、業務改革を本格化  LINEヤフー<4689>(東証プライム)は7月14…
  2. ■50年以上親しまれたかぜ薬が国内市場から姿を消す?  大正製薬は7月14日、塗るかぜ薬「ヴイック…
  3. ■鈴鹿8耐で新型CBコンセプト登場  ホンダ<7267>(東証プライム)は7月11日、大型ロードス…
2025年9月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■01銘柄:往年の主力株が再評価、低PER・PBRで買い候補に  今週の当コラムでは、買い遅れカバ…
  2. ■日米同時最高値への買い遅れは「TOPIXコア30」と「01銘柄」の出遅れ株でカバー  日米同時最…
  3. ■東京株、NYダウ反落と首相辞任で先行き不透明  東京株式市場は米国雇用統計の弱含みでNYダウが反…
  4. ■株式分割銘柄:62社に拡大、投資単位引き下げで流動性向上  選り取り見取りで目移りがしそうだ。今…
  5. ■金先物相場を背景に産金株が収益拡大の余地を示す  東京市場では金価格の上昇を背景に産金株が年初来…
  6. ■大統領の交渉術が金融市場を左右し投資家心理に波及  米国のトランプ大統領は、ギリシャ神話に登場す…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る