宇宙関連企業に長期成長期待-H3ロケット5号機打ち上げ成功

■国産技術企業の総力結集、次世代基幹ロケット確立

 日本の次世代大型基幹ロケットH3の5号機が、2025年2月2日午後5時30分、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。打ち上げから約30分後、準天頂衛星「みちびき6号機」の軌道投入に成功し、4機連続での打ち上げ成功を達成した。みちびき6号機は内閣府が運用する測位衛星で、日本のほぼ真上を通る軌道を周回し、カーナビやスマートフォンの位置情報提供、災害時の安否確認、将来的な自動運転への活用が期待されている。

 この成功の陰には、日本を代表する技術企業の貢献がある。H3ロケットの設計・製造を担当する三菱重工業<7011>(東証プライム)を筆頭に、主エンジンLE-9の開発を手がけるIHI<7013>(東証プライム)グループのIHIエアロスペース、燃焼器製造のSUBARU<7270>(東証プライム)、炭素繊維を供給する東レ<3402>(東証プライム)が中核技術を担っている。さらに、UACJ<5741>(東証プライム)が大型アルミ構造材を、日本航空電子工業<6807>(東証プライム)が慣性センサーユニットを、イーグル工業<6486>(東証プライム)が水素と酸素を分離するシールを製造するなど、高度な技術力を持つ企業群が結集している。

 宇宙関連企業の長期的な展望は明るい。政府は2025年度中に準天頂衛星システムを現在の4機から7機体制に拡張する方針を示しており、H3ロケットは今後20年間の運用が見込まれている。将来的には年間7~8回の打ち上げを目標としており、日本の宇宙産業全体の成長が期待される。今回の成功により、国産技術による安定した宇宙輸送能力が確立され、関連企業の業績向上に寄与する可能性が高まっている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■歯周病の進行抑制に向け、老廃物除去と免疫調整の2軸で研究  ライオン<4912>(東証プライム)…
  2. ■バリア性能と印刷適性を両立、2030年までに10億円売上目指す  大日本印刷<7912>(東証プ…
  3. ■胃がん・大腸がん対策で「Train the Trainerプログラム」を展開  オリンパス<77…
2025年9月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物相場を背景に産金株が収益拡大の余地を示す  東京市場では金価格の上昇を背景に産金株が年初来…
  2. ■大統領の交渉術が金融市場を左右し投資家心理に波及  米国のトランプ大統領は、ギリシャ神話に登場す…
  3. ■価格改定効果に加え9月以降の値上げで業績上乗せが期待される銘柄  今週の当コラムは、9月に価格改…
  4. ■9月1日に値上げラッシュの食品株は日銀バトルで小緩んでも株高持続性  まさに「パウエル・プット」…
  5. ■メガバンク株は業績修正や自己株取得が焦点、再編思惑も視野  銀行株やコメ関連株は盆休み明けの注目…
  6. ■日経平均史上最高値更新、夏枯れ懸念を払拭  前週末15日のマーケットは、お盆を象徴するかのように…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る