【マーケットセンサー】政局混迷が続く日本経済と、先行き不透明な米大統領選

■内憂外患の波、東京市場に押し寄せる

 イスラエルのイラン攻撃による地政学リスク、そして日本の衆議院選挙での政権与党過半数割れによる政局不安という二重の脅威が東京市場に襲い掛かっている。選挙で自民・公明の政権与党が大幅に議席を失い、政権運営の基盤が揺らいでいることが背景にある。中東の緊張に端を発する影響が東京市場に直撃し、投資家の売り仕掛けが増す中で、週明けから荒れ模様の展開が懸念されている。

■政局混迷と株価急落の相関関係

 特に国内政局不安は日本経済に直接的な影響を与える懸念が強い。総裁選で過半数割れという苦い結果を突きつけられた石破総裁のリーダーシップに対する疑問が浮上しており、非公認候補の追加公認や野党との連携工作なども模索されている。大波乱が予想される首相指名選挙に加え、旧統一協会問題や「政治とカネ」の問題など、次々と追及の対象となる事案が続くことで、来年の参議院選挙に向けた政権交代の可能性が現実味を帯びつつある。日経平均株価も本日は大幅反発したものの、総選挙前から続く不安感で、10月15日につけた高値から大幅下落を見せていた。

■米国大統領選と地政学リスクが投資家心理に影響

 国内だけでなく、11月5日に控える米国大統領選挙も日本市場に影響を与えつつある。ハリス副大統領とトランプ前大統領の接戦が続き、トランプ優勢とされる中で「トランプ・トレード」が先行し、NYダウは最高値追いとなっている。そこに加えてイスラエルとイランの対立が激化し、米国の対応がさらに不透明感を増す可能性もある。日本市場は「政低経高」のバランスが維持できるかが試されるが、インフレへの移行期にあってデフレが再び押し寄せれば、投資家心理は「リスクオフ」に傾き、現金保持の姿勢がさらに強まるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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