三菱重工、サウジアラビアに最新鋭GTCC発電設備を受注、2028年の運転開始目指す

■総出力360万kW、サウジアラビアの巨大発電プロジェクト

 三菱重工業<7011>(東証プライム)は3月28日、サウジアラビアで計画されている総出力360万kWの天然ガス焚きガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電プロジェクト向けに、最新鋭のM501JAC形ガスタービン6台を受注したと発表。同プロジェクトは、サウジ電力会社、アクアパワー社、韓国電力公社が出資する特別目的会社から、斗山エナビリティ社と協力して受注した。GTCCプラント全体の営業運転は2028年に開始される見込みだ。

 この発電プロジェクトは、サウジアラビア中部のルマ-1発電所と東部のナイリヤ-1発電所で構成される。総出力360万kWは、サウジアラビア国内の送電容量の約2.5%に相当し、ベースロード電源として送電網の安定化に大きく貢献する。また、同国で増加している再生可能エネルギーとの統合にも重要な役割を果たす。三菱重工は、両発電所にそれぞれ3台のJAC形ガスタービンを供給し、これらのガスタービンはサウジアラビア東部のダンマーム工場で組み立てられる。

 サウジアラビアは、「サウジ・グリーン・イニシアチブ」を掲げ、2030年までに電源構成の50%を再生可能エネルギー、残りの50%を天然ガスに転換する目標を立てている。三菱重工の最新鋭JAC形ガスタービンは、高効率、高信頼性、高い起動・負荷変動特性を備えており、水素混焼能力も有している。これらの特性は、サウジアラビアの長期的なエネルギー戦略の達成に大きく貢献できる。

 三菱重工グループは、高効率で信頼性の高いガスタービン発電設備の普及に力を入れ、世界各地の経済発展に不可欠な電力の安定供給に貢献するとともに、エネルギーの脱炭素化を推進し、地球環境の保全に貢献していく。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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