「政策Uターン」に揺れる超大国、トランプ氏の「変わり身早業」

■米大統領の「急ブレーキ」と「方向転換」、国際社会が注視する二転三転

 「クルマは急に止まれない、曲がれない、後戻りできない」と言われる。運転を誤れば、たちまち「走る凶器」と化すクルマの特性を示す警句だ。だからこそ、細心の注意を払った安全運転が求められる。だが、こうしたクルマの特性とは対照的に、米国のトランプ大統領は、「急に止まれる、曲がれる、後戻りできる」存在のように見える。むしろ、その自在な変節ぶりを伝家の宝刀として振るっているようにさえ映る。

 具体例として、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長への対応が挙げられる。トランプ大統領はパウエル氏に辞任を迫ったかと思えば、間もなくして「退任させるつもりはない」と発言を翻した。これほどの迅速な態度変更は、超大国のリーダーからは通常想像できない。加えて、その言葉の軽さには驚かされるばかりである。

 また、中国に対して発動した145%の追加関税も、発動から3週間足らずで50%~60%への引き下げに言及するなど、驚くべき軌道修正を見せた。こうした一連の動きは、トランプ大統領が政治においても「急停止」「急旋回」「後戻り」を難なくこなす姿を象徴している。国際社会が超大国の舵取りを注視する中、リーダーの発言の重みと信頼性が改めて問われる局面に差し掛かっている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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