【鈴木雅光の投信Now】自分の資産額をドル建てで考えてみる

先日、ある取材先の方に言われた話。「自分の資産額をドルベースで見ると、いかに目減りしているかよく分かると思います」。

そもそも現在のドル高がスタートしたのは一昨年前の10月あたりから。この当時は1ドル=76円前後だったのが、今は121円にタッチする場面もあるなど、完全なドル高トレンドになっている。

手元に100万円があったとしよう。これをドル建てに換算すると、いくらになるだろうか。

1ドル=76円だとすると、100万円÷76円=1万3157ドル89セント。

1ドル=121円だとすると、100万円÷121円=8264ドル46セント。

つまり、この2年間で見ると、円資産をドル建てに換算すると、何と37%も目減りしていることになる。

では、日本の個人金融資産がどういう構造になっているかをご存じだろうか。

日銀が定期的に公表している「資金循環統計」によると、2014年第3四半期の速報値は、総額が1654兆円。このうち現預金は870兆円で、総額の52.6%を占めている。これだけの資金が、円安によって目減りするリスクにさらされているのだ。

こうしたリスクを最小限に抑えるためには、資産の一部を外貨建てにする。あるいは海外市場に投資している投資信託を購入するという方法が望ましい。

単に円安リスクのみをヘッジするなら、外貨預金や外貨MMFに、資産の一部を分散させておけば良い。

ただ、為替リスクをヘッジするだけでなく、海外市場のリターンも取り込もうとなれば、海外市場に投資する投資信託が最適だが、同時に商品選びが重要になってくる。以前、この欄でも触れた欧州ハイ・イールド債ファンドなどは、コストが高いうえに市場の流動性も低く、こうした投資信託での運用は、少なくとも長期的な資産形成を前提にした場合は、望ましくない。

もし海外市場に分散投資するならば、出来るだけシンプルなファンドを選びたい。ETFで世界中の株式市場に分散投資しているタイプ、あるいはETF以外の投資信託でも、世界中の株式、債券市場に分散投資しているバランス型ファンドがある。この手のファンドで、ローコストなものを選ぶのが良いだろう。(証券会社、公社債新聞社、金融データシステム勤務を経て2004年にJOYntを設立、代表取締役に就任、著書多数)

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