
■国際競争力強化とグリーン化推進が目的、2027年をめどに分社化し統合・再編の核を設立
三井化学<4183>(東証プライム)は5月30日、石油化学事業を中心とするベーシック&グリーン・マテリアルズ事業(B&GM)の分社化を検討すると発表した。これは、国際競争力の強化とグリーン化推進を目的としたもので、他社との提携や統合・再編を通じて強靭な事業体を目指す。B&GMは日本の産業競争力や経済安全保障に重要な役割を担うが、国内需要の減少や収益環境の厳しさから構造改善が急務となっている。
分社化の対象となる事業は、フェノール事業やポリウレタン事業など幅広い。目指す姿として、グリーンケミカルの推進や高機能化による顧客ニーズへの対応、海外輸入品に対抗できる競争力の強化を掲げる。2027年頃をめどに分社化を完了させ、統合・再編の核となる事業体を設立する計画だ。
三井化学は、VISION 2030に基づき成長領域とB&GMで異なる戦略を推進している。B&GMでは、サプライチェーンの安定化やカーボンニュートラルへの貢献を重視。分社化により経営資源を集中させ、迅速な意思決定と自社キャッシュフローによる投資を実現し、持続可能な事業体としての自立を目指す。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)