大塚製薬の「リジョイン」、うつ病治療アプリが英国で販売開始

■認知トレーニングとCBTを融合、6週間プログラムで症状改善

 大塚ホールディングス<4578>(東証プライム)傘下の大塚製薬は6月17日、米クリック社と共同開発したうつ病治療用のデジタル治療アプリ「リジョイン(Rejoyn)」を英国で販売開始したと発表した。同アプリは、うつ病の通常治療と併用することを前提に設計されており、臨床的な有効性が実証された機能を組み込んだ医療機器である。すでに米国ではFDA認可を受け、2024年8月より販売されているが、欧州での展開は英国が初となる。

 リジョインは、6週間の治療セッションを通じて、うつ症状の軽減を目指すものである。具体的には、感情を表す顔の画像を用いた認知機能トレーニング、認知行動療法(CBT)に基づく心理レッスン、アプリ通知による治療継続支援といった三つの要素で構成される。英国の医療機関では処方を通じて患者に提供され、NHS基準の認証も取得済みである。一般のウェルネスアプリと異なり、リジョインは医療従事者の関与を必要とする治療アプリである。

 有効性については、うつ病患者を対象としたMIRAI臨床試験により、重症度の改善が複数の評価尺度で確認された。治療期間中に重大な副作用は認められず、安全性にも配慮されている。大塚製薬は、デジタル治療分野での先進的な取り組みを通じて、メンタルヘルスケアの革新を進める姿勢を強調しており、今後も英国NHSと連携し、同アプリの普及を目指す方針である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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