オカムラ食品工業、ラトビア養殖企業を孫会社化、海外養殖拠点拡大へ

■ラトビアで1万トン体制構築、自社養殖で魚卵安定調達

 オカムラ食品工業<2938>(東証スタンダード)は6月19日、連結子会社であるデンマークのMusholm A/Sを通じて、ラトビア共和国の養殖事業会社Riga Bay Aquaculture, AS(RBA)の株式51%を取得し、同社を孫会社化すると発表した。RBAはリーガ湾でのサーモントラウト養殖を目指す企業で、今後ラトビア政府からの養殖ライセンス発給が見込まれており、正式な許認可取得を前提に養殖事業を開始する方針である。今回の株式取得は、同社グループの海外養殖事業拡大と事業基盤の多拠点化を見据えたものである。

 オカムラ食品工業は、サーモンを中心とした垂直統合型ビジネスモデルに基づき、養殖から加工、販売までを一貫して展開している。中期経営目標「2030」では、川上の養殖と川下の販売の両面強化による成長を掲げており、今回のRBA子会社化により、海外養殖量の増加が期待される。とくにデンマークでは新規ライセンス取得が困難な状況にあり、ラトビア進出は同社にとって戦略的な突破口といえる。取得後は、同国を日本・デンマークに次ぐ第3の生産拠点と位置づけ、養殖量1万トンの水揚げを目指す。

 さらに、同社はラトビアでの養殖事業により、魚卵(いくら原料)の安定調達を図ることで、国内加工事業の利益成長と価格変動リスクの抑制を狙う。魚卵は国内加工事業における重要な原料であり、これまで原料確保が課題であったが、自社養殖による安定供給が可能になれば、ボラティリティの緩和にも繋がる。なお、本件は2026年以降の事業開始を予定しており、2025年6月期の業績予想への影響は軽微としている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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