【どう見るこの株】モリト、2Q純利益が通期上方修正業績対比で高進捗、連続増配で年初来高値奪回へ

■トランプ関税乗り越え再上方修正期待も

 モリト<9837>(東証プライム)は、前日14日に106円高の1490円と急続伸して引け、今年1月につけた年初来高値1663円を視界に捉えた。東証プライム市場の値上り率ランキングの第6位にランクインし、商いも、上場投資信託(ETF)を含めた売買高急増銘柄ランキングの第23位と賑わった。前週末11日に発表した今2025年11月期第2四半期(2024年12月~2025年5月期、2Q)累計決算で、純利益が大幅増益で着地し、期中に上方修正された今11月期通期予想純利益に対して高利益進捗率を示したことに加え、期末配当を増配し連続増配を予定していることを手掛かりに割安修正買いが増勢となった。2Q純利益の大幅増益着地は、今年1月に実施したM&Aによる負ののれん発生益が要因の一つで、トランプ関税の影響を考慮して据え置いた通期上方修正業績の再上ぶれ期待も高め支援材料視されている。

■国内アパレル市場回復に負ののれん発生益がオンして2Q純利益は69%増益

 同社の今11月期2Q累計業績は、売り上げ258億500万円(前年同期比8.7%増)、営業利益15億7000万円(同5.9%増)、経常利益17億1300万円(同9.4%増)、純利益23億5900万円(同69.3%増)と続伸し、純利益は、今年4月に上方修正された11月期通期予想業績に対して84.2%の進捗率を示し目安の50%を大きく上回った。国内アパレル市場が回復し、アパレル関連事業の売り上げが38億1500万円(同20.7%増)と好調に推移し、昨年11月に43億5800万円で子会社化したMs.ID(福岡県福岡市)も新規連結寄与し、また今年1月に全株式を10億8700万円で取得したミツボシコーポレーション(広島県福山市)に負ののれん発生益11億2000万円を計上したことなどが要因となった。

 今11月期通期業績は、今年4月の上方修正値を据え置き売り上げ560億円(前期比15.4%増)、営業利益32億円(同11.5%増)、経常利益33億円(同9.9%増)、純利益28億円(同8.9%増)と見込んでいる。ただ同社は、2Q純利益が11月通期業績に対して高利益進捗したにもかかわらず米国事業の先行きが、トランプ関税の先行き不透明として今年4月の上方修正値を据え置いており、この動向次第では業績再上ぶれの期待も高まってくる。なお今期年間配当は、2Q好決算とともにDOE(株主資本配当率)4%以上、連結配当性向50%以上を目指す配当政策に従って69円(前期実績63円)へ連続増配を予定している。

■「半値戻しは全値戻し」でPER14倍、PBR0.9倍の修正が加速

 株価は、今期業績の続伸・連続増配に自己株式取得がオンして年初来高値1663円へ上値を伸ばしたが、トランプ関税によるトリプル安が波及して年初来安値1230円まで調整し、売られ過ぎ修正に今期業績の上方修正が続いてリバウンドし、前日14日の株価急続伸では年初来高値から年初来安値までの調整幅の半値戻しをクリアした。PERは14.2倍、PBRは0.99倍、年間配当利回りは4・63%と割安であり、相場格言の「半値戻しは全値戻し」通りに年初来高値1663円奪回に向け加速しよう。(情報提供:日本インタビュ新聞・インベストメントナビゲーター:株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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