
■主要部品からソフトまで国産化に成功、持続可能な開発体制も整備
大阪大学は7月28日、「純国産」超伝導量子コンピュータの稼働を開始した。主要部品からソフトウェアまで全て日本製で構成された同システムは、理研や富士通<6702>(東証プライム)など国内の産学官連携によって開発されたもので、日本が量子コンピュータを自立的に製造・統合する技術を有することを実証した。8月には大阪・関西万博にて、来場者がクラウド接続で量子体験を行える展示も予定されている。
同システムは、冷却装置や制御装置、量子ビットチップ、ソフトウェアに至るまで国産技術により構築されており、全ソフトウェアがオープンソースで公開されている点も特筆される。クラウド経由で最大50量子ビットの制御が可能で、量子誤り訂正やユースケース探索の実証実験が進行中である。量子コンピュータの利用拡大と産業基盤形成に向けた持続的な開発環境が整いつつある。
大阪・関西万博の特別企画展「エンタングル・モーメント」では、来場者がiPadを使って量子コンピュータを操作し、量子もつれをリアルタイムで体験できる。さらに、量子アートとのコラボレーションや量子アプリを用いた対戦体験など、量子技術を身近に感じられる仕掛けが多数展開される。純国産機は今後の量子産業と教育普及の核として注目されている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)