JAXAとDLR、国際宇宙ステーションでロボット連携実証に成功

■世界初の独立開発ロボット協調作業、有人宇宙活動の効率化に道

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7月29日、ドイツ航空宇宙センター(DLR)と共同で、国際宇宙ステーション(ISS)における国際協力ミッション「ICHIBAN」を実施し、独自開発ロボット同士の連携実証に成功したと発表した。今回の実証では、JAXAが開発したJEM船内可搬型ビデオカメラシステム実証2号機「Int-Ball2」と、DLR・Airbus・IBMが共同開発したAI搭載ロボット「CIMON」が、ISS内で相互通信を行い、大西卓哉宇宙飛行士の指示のもと共同作業を行った。別機関で開発されたロボットが軌道上で連携するのは世界初の成果となる。

■有人宇宙活動の自律化・効率化に向けた国際協力の第一歩

 今回の実証では、大西宇宙飛行士が欧州実験棟「コロンバス」に設置されたCIMONを介し、音声認識機能を用いて「きぼう」日本実験棟内のInt-Ball2を遠隔操作した。CIMONは、宇宙飛行士の音声指示とInt-Ball2から送信される位置情報を基に移動コマンドを生成し、Int-Ball2が船内を移動しながらカメラ映像をCIMONに送信する流れで、物品捜索の作業が進められた。これにより、地上で進められてきた複数ロボット協調の技術を宇宙環境に拡張することができた。

 このミッションの背景には、有人宇宙活動における効率的な運用の実現という狙いがある。JAXAとDLRは、ロボット間連携インタフェースの確立、地上との通信と軌道上ロボット間通信の両立、地上運用方法の確立を目標としており、今回の実証では前二者の実現に成功した。得られた知見は、今後の有人宇宙活動で宇宙飛行士とロボットが協調して作業を行うための基盤となる。特に、ロボットが自律的に移動・撮影・情報伝達を行うことで、宇宙飛行士の作業負担を大幅に軽減できる点が評価される。

 今回活躍したInt-Ball2は、ISS「きぼう」で宇宙飛行士の撮影作業を支援する船内ドローンで、地上からの遠隔操作も可能だ。CIMONは、音声認識機能と会話機能を備えたAI搭載ドローンで、宇宙飛行士の作業効率向上や心理的負担軽減を目的として開発された。「ICHIBAN」という名称は、宇宙でのロボット連携の第一歩を意味する。今後もISS「きぼう」を活用した国際協力によるロボット技術実証が続けられ、有人宇宙活動の自律化・効率化に向けたさらなる技術開発が進む見通しである。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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