【随意契約による政府備蓄米放出】大手小売各社が一斉販売へ、中小事業者への供給も視野、選択肢の拡大へ

■楽天・アイリスオーヤマなどが予約・販売を順次開始

 政府が進める備蓄米の随意契約による売り渡しが5月29日から開始された。アイリスオーヤマは宮城県の自社精米工場で12トンの備蓄米を受け取り、同日から予約販売を開始、6月2日には店頭販売も見込む。楽天は同日午後より「楽天市場」の直営店舗で販売を開始し、PPIH(ドン・キホーテ)は約1万5000トンを6月上旬から順次販売予定である。LINEヤフーやファミリーマートなども契約手続き中または準備中であり、他のスーパーやドラッグストアも販売に名乗りを上げている。

 価格帯は5kgあたり約2000円で統一感があり、「政府備蓄米」と明記した表示を付けるなど、消費者への安心感を重視した取り組みがなされている。各社はネット販売の誘導や1kg単位での販売といった独自の工夫を打ち出し、購買の利便性向上を図っている。一方で、転売対策としてヤフオク!やフリマアプリでの出品を禁止し、違反者にはアカウント停止の措置を講じるなど、監視体制も強化されている。

 農林水産省は大手に限らず中小業者にも広く供給する方針を示しており、5月30日からは中小向けの申請受付も開始される。今後、随意契約米は全国の店舗や通販サイトで一斉に展開され、安定供給と価格抑制を両立させる枠組みが本格化する。政府と民間が連携し、需給バランスの維持と消費者の選択肢拡大が期待される展開となっている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■環境要因は50%、漁獲圧は25%、状態空間モデルで初の定量評価  東京大学は11月1日、日本周辺…
  2. ■ドジャース、球団史上初の2年連続制覇  ロサンゼルス・ドジャースは、2025年MLBワールドシリ…
  3. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■売り方手仕舞いで需給改善が後押し  師走相場では、リスクの大きい銘柄であっても、逆日歩のつく信用…
  2. ■師走相場は最終レースさながら、勝ち負け分ける「掉尾の一振」に熱視線  師走である。礼節一点張りの…
  3. ■金利環境改善が銀行株に追い風、逆張りの買いも有力視  今週の当コラムは、銀行株に注目することにし…
  4. ■「トリプル安」も怖くない!?逆張りのバリュー株ローテーションからは銀行株になお上値余地  「神風…
  5. ■気温急低下がシーズンストック相場発進を後押し  今週のコラムでは、バリュー株選好の別の買い切り口…
  6. ■「押し」のAI株より「引き」のバリュー株選好で厳冬関連株の先取り買いも一考余地  「押してだめな…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る