ゼリア新薬の第1四半期は薬価改定や長期収載品の新制度あり売上高9%減、「ヘパリーゼ群」や植物性便秘薬「ウィズワン群」は好調

(決算速報)

■8月27日を消却予定日とする自己株式の消却も発表

 ゼリア新薬工業<4559>(東証プライム)の第1四半期(2025年4~6月)連結決算は、為替動向が前期はプラスに作用したのに対し、今期は為替差損に転じた上、国内で薬価改定や長期収載品の選定療養制度があったことなどにより、売上高は194億89百万円(前年同四半期比9.2%減)となった。営業利益は原価や海外子会社の基幹システム投資などの経費の増加により15億20百万円(同四61.4%減)だった。また、前期は約13億円という多額の為替差益を計上したが、今期は為替差損に転じたため、親会社株主に帰属する四半期純利益は10億90百万円(同74.1%減)となった。

 医療用医薬品事業は、国内市場で薬価改定や長期収載品の選定療養制度、競合品の影響などにより厳しい状況が続いた。海外市場では、主要市場であるイギリス、フランス等は引き続き順調に推移したが、一部地域で前年度第4四半期の出荷が大幅に増えたことに伴う反動により、当事業の売上高は126億66百万円(同13.5%減)となった。25年3月に高カリウム血症治療薬「ビルタサ懸濁用散分包8.4g」の国内での販売を開始した。

 コンシューマーヘルスケア事業は、主力製品である「ヘパリーゼ群」や植物性便秘薬「ウィズワン群」が引き続き好調に推移した。一方、「コンドロイチン群」などの一部製品は競合品の影響などにより減少した。当事業の売上高は、67億84百万円(同0.2%増)となった。

 3月通期の連結業績見通しは、医療用医薬品事業での上記出荷増の影響が第2四半期以降は緩和されることや、コンシューマーヘルスケア事業でも、ヘパリーゼ群を中心に売上が伸長する見込みであることなどから、5月に開示した予想は変更していない。売上高は900億円(前期比3.1%増)、営業利益は120億円(同1.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は95億円(同4.4%減)を継続した。3月に発売した高カリウム血症治療薬「ビルタサ懸濁用散分包8.4g」の早期浸透が注目される。

 また、第1四半期決算の発表と同時に自己株式の消却も発表し、消却予定日を8月27日として100万株(消却前の発行済株式総数に対する割合1.88%)を消却するとした。この分だけ株式価値が向上する。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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