加賀電子が業績予想と配当予想を増額修正、第1四半期は営業利益17%増加など好調

(決算速報)

■今3月期の売上高は前回予想を8.3%上回り、純利益は同46.7%上回る見込みに

 加賀電子<8154>(東証プライム)は8月7日の夕方、2026年3月期・第1四半期(25年4~6月)連結決算を発表し、3月通期の業績・配当予想を増額修正した。同時に、取引銀行による政策保有株の縮減方針を受け、発行済株式総数(自己株式を除く)の9.4%規模の大規模な自己株式取得(自社株買い)と、これにより買いつける全株式の消却も発表した。

 配当予想(今期・26年3月期)は、9月中間配当を1株60円(前回予想比5円増、前期比でも5円増配)の予定とし、3月期末配当も1株60円(前回予想比5円増、前期比でも5円増配)の予定とした。株主還元の基本方針としては、「連結配当性向30%~40%ならびにDOE4.0%を目安に積極的かつ安定的な配当を実施」としている。

 第1四半期(25年4~6月)連結決算は、電子部品事業(EMSビジネス)、情報機器事業(パソコン販売)、その他事業(アミューズメント機器販売)が好調に推移し、売上高は前年同期比7.3%増の1380億86百万円となった。営業利益は、高採算製品の販売が好調に推移した上、増収・利益率改善や販管費抑制により同16.8%増の64億84百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同11.8%増の46億14百万円となった。すべての段階利益で「増益」を達成し、新中計「中期経営計画2027」の初年度として順調なスタートとなった。

 電子部品事業では、部品販売ビジネスの一部で在庫調整が長引いていることもあったが、EMS(製造受託)ビジネスは医療機器向けや産業機器向けを中心に販売は増加。情報機器事業では、パソコン販売ビジネスが好調に推移した。その他事業でもアミューズメント機器の販売が好調に推移した。

 こうした推移を受け、今期・26年3月期の連結業績予想を全体に増額修正し、売上高は5月に開示した前回予想を8.3%上回る5740億円の見込み(前期比では4.8%増)に見直し、営業利益は同4.3%上回る240億円の見込み(同1.7%増)に、親会社株主に帰属する当期純利益は同46.7%上回る242億円の見込み(同41.7%増)に見直した。連結子会社となった協栄産業の第2四半期以降の見通しが加わり、純利益には、買収にともなう「負ののれん発生益」が加わる。

■自社株買いは発行株数の9.4%規模、取引銀行による政策保有株縮減を収容、消却

 また、自社株買いは、株式会社三菱UFJ銀行、株式会社みずほ銀行、株式会社三井住友銀行ならびに株式会社北陸銀行より、コーポレートガバナンス・コードの要請に沿った政策保有株式縮減の観点から、これら4行が所有する普通株式の一部または全てを売却する意向を有している旨の連絡を受けたことにともない、株価に与える影響を総合的に考慮し、当該株式を東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)にて取得することが適当と判断した。取得株数492万株(自己株式を除く発行済株式総数の9.4%)、または取得総額150億円を上限として、25年8月8日午前8時45分に「ToSTNeT-3」に委託執行する。さらに、これによって取得した全株式を消却するとした。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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