NEDO、ロボット用生成AI開発へデータ基盤構築、社会実装と競争力強化目指す

■205億円の事業で若手人材育成も、成果は最大限にオープン化

 NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は8月8日、ロボティクス分野の生成AI基盤モデル開発に有効なデータプラットフォームの研究開発に着手すると発表した。これは「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」の一環で、新たに1件の研究開発テーマを採択したもの。現実環境から多様かつ高品質なロボット稼働データを収集・整備し、汎用性の高い基盤モデルやユースケースに応じた個別モデルを開発、社会実装まで一体的に推進する計画である。

 同取り組みは、サービス業などへのロボット導入拡大を見据えたもので、多様な動作や予測困難な事象、人との接近作業といった高度な対応が求められる現場に対応可能な生成AI基盤モデルの構築を狙う。ロボティクス分野は言語や画像分野と異なり、必要なデータの特定や収集が進んでいない課題があり、現実空間の認識や物理的稼働に関するデータ不足が開発の障壁となってきた。同事業ではデータ収集からモデル開発、実証までを包括的に実施し、その成果を最大限オープンにして国内の関連開発に広く還元する方針である。

 採択テーマは「AIロボット社会実装用データセット構築と基盤/個別モデル開発」で、実施予定先は一般社団法人AIロボット協会。事業期間は2025年度から2029年度までの4年間を予定し、総予算は205億円。持続的な開発環境を支えるデータエコシステムの構築や、AIロボティクス分野の若手人材育成も並行して進め、日本の実装力と国際競争力の強化を目指す。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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