大東建託と一橋大学、独自家賃指数を共同開発、公的統計と実態の乖離を是正

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■8月から全国・都道府県別に月次公開開始

 大東建託<1878>(東証プライム)は8月25日、一橋大学と共同で新たな家賃指数を開発したと発表した。両者は2024年4月から持続可能な賃貸住宅市場の構築を目的に共同研究を行っており、その成果として「一橋大学・大東建託CPI方式家賃指数」と「一橋大学・大東建託ヘドニック方式家賃指数」を構築した。このうちCPI方式家賃指数は2025年8月から全国、東京23区、都道府県別の計49指数を月次で公開する。指数は大東建託グループが管理する128万件超の賃貸住宅データを活用して算出される。

 背景には、総務省の消費者物価指数(CPI)で公表される家賃指数と実際の市場動向の乖離がある。民営家賃は家計支出に占める割合が大きいにもかかわらず、近年CPI上での家賃指数は上昇が乏しく、現実の賃貸市況を十分に反映していないとの指摘があった。こうした課題を踏まえ、両者は大東建託の大規模データベースと一橋大学の学術的知見を組み合わせ、公的統計を補完しうる新たな観測手法の確立を目指した。

 CPI方式家賃指数は、物件の面積や構造による差を補正し、総務省の算出手法と同様のアプローチをとるが、サンプル規模と範囲の違いにより独自の挙動を示す。一方、ヘドニック方式家賃指数は築年数や設備など多様な要素を補正し、その月に新規契約された物件データのみを反映するため、市場動向をより早期に把握できる。ただし同指数は学術研究や社内分析用途にとどまり、公開予定はない。今回の公開は不動産市況の可視化を進め、賃貸住宅市場の持続的発展に寄与するものとみられる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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