マクニカ、苛烈環境下での高効率ペロブスカイト太陽電池実証を開始

■横浜港とオフィスビルに設置、苛烈環境と通常環境を対比

 マクニカホールディングス<3132>(東証プライム)傘下のマクニカは9月5日、発電効率を向上させたペロブスカイト太陽電池(PSC)による苛烈環境下での実証事業を開始した。環境省の「地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業」に採択されており、2023年度から3年間続くプロジェクトの最終年度にあたる。今回の実証は、横浜港大さん橋国際客船ターミナルの屋上広場とオフィスビルの2か所に設置し、苛烈環境と通常環境の双方で「耐久性」や「発電対応力」を比較検証することを目的としている。

 事業には、PSCの発明者である桐蔭横浜大学の宮坂力特任教授が指導者として参画し、マクニカが代表事業者として主導する。共同実施者には、宮坂氏が代表取締役を務めるペクセル・テクノロジーズ、さらに薄膜加工技術を持つ麗光が加わり、3社体制で推進する。2024年度には接着しない独自工法でPSC72枚を設置し、重耐塩環境下で1kW規模の発電と定常電力利用を実現した実績を有する。2025年度は新たに60枚の高効率PSCユニットを設置し、発電量の向上と異なる設置工法による比較評価に挑む。

 実証は2025年9月から2026年2月までの約半年間実施され、発電効率や耐久性の検証に加えて、蓄電池やIoT機器とのシステム統合も進められる。マクニカは半導体や最先端技術の提供に加え、サーキュラーエコノミー事業としてエネルギーマネジメントや資源循環分野にも取り組んでおり、本事業を通じてCO2排出削減や脱炭素社会の構築に貢献するとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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