アスカネット、26年4月期1Q損失縮小で通期大幅増益予想据え置き、空中ディスプレイ「浮空ライブステージシリーズ」販売開始
- 2025/9/10 07:20
- 決算発表記事情報

アスカネット<2438>(東証グロース)は9月9日に26年4月期第1四半期連結業績を発表した。フォトブック事業における生産性向上や全社的な経費コントロールなどにより全体として営業損失が縮小した。そして通期の大幅増益予想を据え置いた。なお空中ディスプレイ事業のASKA3D技術を活用した「浮空(うくう)ライブステージシリーズ」の販売を開始し、先行販売は即完売となった。株価は安値圏だが底固め完了感を強めている。出直りを期待したい。
■26年4月期1Q営業損失縮小、通期大幅増益予想据え置き
26年4月期第1四半期の連結業績は売上高が前年同期比3.7%減の16億46百万円、営業利益が17百万円の損失(前年同期は25百万円の損失)、経常利益が1百万円の損失(同25百万円の損失)、親会社株主帰属四半期純利益が6百万円の損失(同23百万円の損失)だった。フォトブック事業における生産性向上や全社的な経費コントロールなどにより全体として営業損失が縮小した。
セグメント別(内部売上・全社費用等調整前)に見ると、葬儀関連のフューネラル事業は、売上高が2.7%減の7億60百万円で営業利益が25.0%減の99百万円だった。減収減益だった。自社営業強化によって葬儀社の新規契約獲得が順調に推移し、葬儀社向けDXサービス「tsunagoo」の手数料収入も伸長したが、全国的な葬儀件数が減少傾向だったため主力の遺影写真加工収入が減少したほか、人件費やクラウドサービス利用料の増加も影響した。
写真集関連のフォトブック事業は、売上高が2.0%減の8億74百万円で営業利益が30.1%増の1億28百万円だった。減収ながら大幅増益だった。売上面は、プロフェッショナル写真家向け「アスカブック」がウェディング市場の挙式の小規模化や写真のデジタル化志向の影響で伸び悩み、一般消費者向け「マイブック」とOEMも海外旅行の回復遅れや撮影写真アウトプット減少の影響で厳しいだった。利益面は生産性向上による人件費抑制が寄与した。
空中結像プレートASKA3Dの空中ディスプレイ事業は、売上高が62.9%減の13百万円で営業利益が82百万円の損失(同85百万円の損失)だった。海外展示会の出展控えや旅費交通費の絞り込みなどにより損失が小幅縮小した。
通期連結業績予想は据え置いて売上高が前期比4.4%増の75億80百万円、営業利益が150.5%増の4億35百万円、経常利益が151.4%増の4億50百万円、親会社株主帰属当期純利益が2億61百万円(前期は2億63百万円の損失)としている。配当予想は前期と同額の7円(期末一括)としている。予想配当性向は42.2%となる。
大幅増益・最終黒字予想としている。フューネラル事業が堅調に推移するほか、前期の一過性損失の一巡なども寄与する見込みだ。フォトブック事業と空中ディスプレイ事業については体制強化等により立て直しを図る。事業別売上高の計画はフューネラル事業が5.9%増の35億90百万円、フォトブック事業が1.6%増の37億95百万円、空中ディスプレイ事業が38.5%増の2億円としている。積極的な事業展開で収益改善基調を期待したい。
■空中ディスプレイ「浮空ライブステージシリーズ」
なお空中ディスプレイ事業のASKA3D技術を活用した「浮空(うくう)ライブステージシリーズ」の販売を開始し、先行販売は即完売となった。個人向け卓上サイズの空中ディスプレイ「浮空ライブステージHome」は、背面にスマートフォンを設置することで、空中映像による推し活体験を実現(スマートフォンで流れるライブ映像が空中に浮かび上がる)する。IP関連企業やライバー・VTuberのキャラクターアイテムとしてのビジネス展開に適しているため、IP関連・キャラクターとのコラボ商品としての展開を予定している。大型サイズの空中ディスプレイ「浮空ライブステージ匠(たくみ)」は、大型サイズの空中結像でキャラクターやコンテンツを等身大で表示できるだけでなく、会話やハイタッチなど双方向のインタラクティブなコミュニケーションも可能なため、集客やSNSでの拡散を目指すイベント・スポーツ会場、商業施設・体験型施設、自治体関連施設などでの設置に適している。
■株価は底固め完了
株価は安値圏だが底固め完了感を強めている。出直りを期待したい。9月9日の終値は419円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS16円60銭で算出)は約25倍、今期予想配当利回り(会社予想の7円で算出)は約1.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS342円98銭で算出)は約1.2倍、そして時価総額は約73億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)