ソフトバンク、HAPS向け6セル大容量ペイロード開発、上空から5G通信に成功

■HAPSによる直径200km級の広域通信エリア化に道筋

 ソフトバンク<9434>(東証プライム)は9月18日、成層圏通信プラットフォーム(HAPS)向けに6セル対応の大容量ペイロードを新たに開発し、上空からの5G通信実証に成功したと発表した。今回開発した装置は、携帯端末と結ぶ「サービスリンク」と、地上局と結ぶ「フィーダリンク」を結合した構成であり、東京都八丈島での実験において高度3,000mに滞空する軽飛行機を用い、エンド・ツー・エンドの5G通信とフットプリント固定技術の実証を行った。

 実験では、機体下部のシリンダーアンテナから6方向に形成された通信エリアが、機体の旋回や姿勢変化に影響されることなく地上に固定されていることを確認した。また、旋回中心から15km地点において下り平均約33Mbpsのスループットを達成し、広域かつ安定した通信性能が実証された。これは高度20kmに滞空するHAPSのカバーエリア端に相当する環境下でも通信維持が可能であることを示している。

 ソフトバンクはこれまで、シリンダーアンテナを活用したフットプリント固定やエリア最適化、周波数共用などの要素技術を検証してきた。今回の成果は、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)のBeyond5G基金事業の一環として実施されたものであり、今後はペイロードのさらなる大容量化を図り、HAPSの商用サービス実装を目指す方針である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■離職率低下と顧客満足向上を実証、省人化潮流に逆行する人材重視戦略  「丸亀製麺」主力のトリドール…
  2. ■ビーム整形と出力平準化技術を融合し大気揺らぎを克服  NTT<9432>(東証プライム)と三菱重…
  3. ■航続距離650キロを実現、日野が新型FCV大型トラック投入  日野自動車<7205>(東証プライ…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  2. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…
  3. ■全市場のわずか1.4%、希少な高配当利回り銘柄が浮上  株式市場では、高配当利回りを持つ10月決…
  4. ■「高市祭り」への期待と警戒交錯、資金は安定配当株へシフト  10月終盤相場は、「高市祭り」か「高…
  5. ■自民党総裁選と連立問題が相場を左右、短期急伸と急落を交錯  高市トレードは、まるで「超高速エレベ…
  6. ■東京市場、リスクオンとリスクオフが交錯、安全資産関連株に注目  週明けの東京市場は、米国株反発に…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る