富士製薬工業、眼科・関節リウマチ・がん領域でバイオシミラー3製品の製造販売承認を取得

■「アイリーア」「シンポニー」「ランマーク」後続品が承認、治療選択肢拡充へ

 富士製薬工業<4554>(東証プライム)は9月19日、バイオ後続品(バイオシミラー)3製品4品目について、厚生労働省から製造販売承認を取得したと発表した。承認されたのは「アフリベルセプトBS硝子体内注射液/注射用キット」「ゴリムマブBS皮下注50mgシリンジ」「デノスマブBS皮下注120mgRM」である。これらはいずれも既存の先行薬に対応する後続品であり、眼科領域、関節リウマチ治療、がんや骨疾患領域といった幅広い適応を有する。同社は提携先のアイスランド企業Alvotechと共同で開発を進めており、今回の承認は同提携パイプライン7製品のうち2~4製品目に相当する。

 アフリベルセプトBSは、網膜疾患に用いられる抗VEGF製剤「アイリーア」の後続品で、加齢黄斑変性や網膜静脈閉塞症、病的近視などの治療を目的とする。ゴリムマブBSは抗TNFα抗体製剤「シンポニー」の後続品で、既存治療で効果が不十分な関節リウマチに適応する。デノスマブBSは抗RANKL抗体製剤「ランマーク」の後続品で、多発性骨髄腫や固形癌による骨病変に用いられる。いずれも医療現場における治療選択肢を拡充し、先行薬と同等の有効性を持ちながら医療経済における負担軽減が期待される。

 富士製薬工業は2024年11月に発表した中期経営計画で、バイオシミラー事業を成長戦略の柱と位置づけている。今回の承認により、同社は日本市場において高品質なバイオシミラーを早期に提供する体制をさらに強化した。Alvotechは自己免疫疾患やがん領域など8種類のバイオシミラー候補を有するグローバル企業であり、同社との提携は日本における安定供給と国際競争力の強化に直結する。富士製薬工業は引き続きラインナップ拡充を進め、患者や医療現場への貢献を加速させるとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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