アステラス製薬、「アイザベイ」承認取得、萎縮型加齢黄斑変性の日本初GA治療薬

■臨床試験で進行抑制効果を確認、副作用による中止は2%未満

 アステラス製薬<4503>(東証プライム)は9月19日、補体因子C5阻害剤「アイザベイTM硝子体内注射液20mg/mL」について、萎縮型加齢黄斑変性(AMD)における地図状萎縮(GA)の進行抑制を効能・効果とする製造販売承認を日本で取得したと発表した。今回の承認は「医薬品の条件付き承認制度」のもとで認められ、承認申請から7カ月での取得となった。GAを対象とする治療薬は日本で初めてであり、同剤はファーストインクラスの新薬となる。

 GAはAMDの進行期に発症し、患者の不可逆的な視力低下をもたらす病態で、日本では約10万人が罹患していると推定されている。適切な治療が行われない場合、患者の約66%が失明または重度の視覚障害に至る可能性があるとされ、日常生活や精神的健康への影響も大きい。アイザベイTMは補体系の過剰な活性化を抑制し、網膜細胞の変性進行を遅らせる作用が期待されている。

 臨床試験「GATHER1」「GATHER2」では、同剤の投与によりGAの進行速度がそれぞれ35%、18%減少し、効果は投与6カ月後から2年間にわたり持続したことが確認された。安全性も良好で、副作用による投与中止は2%未満にとどまった。アステラス製薬は同剤の早期提供を通じて、アンメットメディカルニーズの高い領域での治療選択肢拡充に貢献するとしている。なお、同件による2026年3月期連結業績予想への影響は織り込み済みである。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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