
■データ連携により、1件あたり30分以上かかっていた作業を5分に短縮
インフォマート<2492>(東証プライム)は9月25日、ミツカングループのMizkan Partners(本社:愛知県半田市)による「BtoBプラットフォーム 規格書」の導入事例を公開した。
■Mizkan Partnersによる導入理由・効果
(取材協力=品質環境部 情報管理課 課長)
・「BtoBプラットフォーム 規格書」導入前の課題
日本の食卓を支え、220年以上の歴史を持つミツカングループ。その中でMizkan Partnersは取引先への商品規格書対応を担っていたが、得意先指定のExcelなど様々な書式への転記や提出作業が大きな負担となっていた。
年間約12,000件の商品規格書を提出しており、そのうち約9,000件がExcel形式、残り約3,000件がWebシステムでの提出依頼であった。PITS標準規格書や得意先独自のExcelなど形式に応じて個別対応しており、特に独自書式のExcelはフォーマットが統一されていないため、コピー&ペーストや確認作業に手間がかかり、チェックミスのリスクもあった。
営業担当が得意先から提出依頼を受けると、業務システム経由で情報管理課に依頼が入り、商品規格書を作成する。提出後は社内コミュニケーションツールで完了通知を行い、営業担当が得意先に渡すという流れであった。このプロセスは煩雑であり、Excel形式では1件あたり30分〜1時間かかることも少なくなく、年間9,000件が対象となるため手作業には限界があった。
■導入効果
(1)データ連携により、1件あたり30分〜1時間かかっていた作業を5分に短縮
「BtoBプラットフォーム 規格書」は基幹システムと連携しており、慣れれば1件5分で対応できる。連携がなければ新規作成や更新作業は個別対応が必要となり、大きな業務負荷が発生する。
(2)「食品情報DB」機能で最新情報の提供・更新を自動通知
「食品情報DB」機能により、業務負担は大幅に軽減された。業界で最低限必要なベーシック版の商品規格書を得意先が誰でも取得できる点は有用である。Mizkan Partnersでは「食品情報DB」で公開した規格書を定期的に更新しており、更新時には既に取得している得意先に自動通知が届き、再取得できる仕組みとなっている。これにより個別連絡は不要となり、常に最新情報を提供でき、事故防止にもつながっている。
■今後の展望
今後も必要最低限の情報項目で、提供側・取得側双方が納得できる仕組みを維持したい考えである。さらに、他のWeb規格書システムとの連携など、業界全体の共通化の進展が期待されている。
ミツカングループとしては、素材の皮や芯まで可能な限り活用しておいしさと栄養を引き出すブランド「ZENB(ゼンブ)」や、発酵性食物繊維を特徴とする「Fibee(ファイビー)」といった新カテゴリーでの発展を目指している。単身生活者にも商品を身近に感じてもらえるよう、調理不要で楽しめる商品を提供し、おいしさと健康を両立させた新しい食生活の提案に取り組み続ける方針である。
■サービス概要
「BtoBプラットフォーム 規格書」は、商品規格書情報をデジタル化し、外食・卸・メーカーの各企業間で提出依頼・作成・提出・仕様変更までを総合管理できるクラウドサービスである。業界標準の統一フォーマットで管理するため無駄な作業が発生せず、コスト削減と業務効率化が可能となる。アレルギーや原産国の情報を管理するツールとしても機能し、食品業界の「食の安心・安全」を支援する。2025年9月時点で1万社以上が利用している。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)