
■書店・出版社が無料参加可能、在庫検索やイベント情報配信で来店促進へ
カタリスト・データ・パートナーズ(CDP)は10月6日、全国約1400店舗の書店と連携する総合情報アプリ「本コレ」の正式サービスを開始した。出版業界8社「KADOKAWA<9468>(東証プライム)、CCC、学研ホールディングス<9470>(東証プライム)、講談社、集英社、小学館、日販GHD、ポプラ社」が出資する同社は、「オープンデータで世の中を変える」を掲げ、書店・出版社・読者をつなぐ新たなプラットフォームの構築を進めている。「本コレ」は大手から独立系まで無料で参画可能で、書店情報や在庫検索、イベント・クーポン配信などを通じてリアル店舗への送客を促す。
同アプリは「TSUTAYAアプリ」をCCCから事業移管し、本専門の新サービスとしてリニューアルしたもので、既存ユーザーのモバイルVカードや購入履歴なども引き続き利用できる。地図検索や営業時間表示、レビュー投稿機能を備え、読者はお気に入りの書店から最新情報を受け取れる。出版社は自社作品を直接紹介するマーケティングツールとして活用でき、今後はCRMや読者分析など高度な支援機能も順次追加予定である。
CDPは出版データの共有と利活用を進め、書店・取次・出版社を横断したオープンデータ基盤の形成を目指している。2013年から累計1300万ダウンロードを超える「TSUTAYAアプリ」の資産を継承し、業界横断の情報流通を強化する構想である。同社はAIを活用したデータベースSaaSや書店向け購買データサービス「CANTERA」「DB WATCH」なども展開しており、「本コレ」を中心とした出版DXの推進により、読者体験と業界の価値創出を両立させる方針である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)