ビットコイン急落の裏側――トランプ関税ショックと市場の過熱

■過去最大級の強制清算が発生、2,800億ドルが消失

 2025年10月10日夜、米国のトランプ大統領が中国製品への「追加100%関税」を発表した直後から、市場はリスク回避へ傾いた。仮想通貨市場はこれを皮切りに急落。ビットコインは直前の高値約12万6,000ドル(約1,900万円)から一日で10%超下落し、12日時点では11万1,000ドル(約1,670万円)前後まで値を崩した。市場全体では2,800億ドル超の時価総額が吹き飛び、アルトコインも連鎖的に急落した。レバレッジ取引によるロングポジションが膨張していたことから、1.3兆~3兆円規模の強制ロスカットが発生。過去最大級の清算連鎖が下落を加速させた。

■リスクオフと市場心理の変化

 急落の背景には、米中貿易摩擦の再燃懸念、米中首脳会談の中止、レアアース輸出規制など、地政学的リスクの高まりがあった。投資資金は仮想通貨や米国株といったリスク資産から、金や国債など安全資産へと移動し、リスクオフの流れが明確化した。さらに最高値圏で積み上がっていたレバレッジ取引が一斉に清算され、テクニカル的な売り圧力が市場を押し下げた。市場では、「オーバーレバレッジの反動」と「政策リスクの顕在化」が同時に起こったことが、混乱の根底にあるとの見方が強い。

■それでも強気は崩れず

 短期的な調整を経ても、ビットコインの年初来上昇率は約95%に達している。10月中旬時点で1BTCあたり約1,700万円前後を維持しており、ブラックロックやフィデリティなど大手資産運用会社のスポットETFに資金が流入し、価格を支えている。FRBの利下げ観測も根強く、実質金利の低下はインフレヘッジ資産としてのビットコイン需要を押し上げている。

 市場では、10月後半に最大20%の反発余地があるとの見方も多い。年末にかけて13万5,000~20万ドル(約2,000万~3,000万円)を目指すとの強気予想も出ている。一方で、ETFからの資金流出やドル高が進めば、9万5,000~11万ドル(約1,400万~1,650万円)までの調整リスクも残る。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■シャープ堺工場跡地を再活用、水冷技術と再エネ電力で高性能計算を実現  KDDI<9433>(東証…
  2. ■2026年3月6日全国公開、日本の観客へ感謝を込めた特別版  ギャガは、『映画 冬のソナタ 日本…
  3. ■写真555点で広がる味覚の世界、0歳からの「はらぺこ図鑑」  学研ホールディングス<9470>(…
2026年2月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
232425262728  

ピックアップ記事

  1. ■地銀・建設・リサイクル株が業績上方修正クラスターを形成  今週の当コラムは、内需ディフェンシブ株…
  2. ■「TACO」神話揺らぐ、内需関連が上場来高値圏  またまた「TACO(トランプはいつも尻込みする…
  3. ■高市トレード調整は好機か、配当利回り上位株で権利取り戦略  今週の当コラムは、権利付き最終売買日…
  4. ■「音楽が鳴っている限り踊る」か「笛吹けど踊らず」か、高市トレードで問われるベテラン投資家の知恵 …
  5. ■上方修正を重ねる銘柄群が相場の主役に  同コラムは今週、ダブルセット銘柄、トリプルセット銘柄、フ…
  6. ■政治安定を好感、全面高期待が再燃  超短期決戦だった衆議院議員選挙が、昨8日に投票され即日開票さ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る