マーチャント・バンカーズ、暗号資産で蓄電池事業運営へ、EUKA社と九州で大型プロジェクト

マーチャント・バンカーズ

■海外投資家向けに資金透明化と利益配分の効率化を実現

 マーチャント・バンカーズ<3121>(東証スタンダード)は10月14日、台湾EUKA Power社が九州で進める系統用蓄電所プロジェクトに対し、暗号資産を活用した管理運営(AMサービス)を提供すると発表した。総蓄電容量200MW/800MWの大規模設備で、海外投資家資金による開発を支援する。日本円建てで売電収入を得る構造のため、同社は為替リスク軽減と収益配分の透明性向上を目的に暗号資産を導入する。

 同プロジェクトでは、台湾を中心とする海外投資家の資金を基に、EUKA Power社が用地取得・設備導入・発電運営を行い、発電電力を特定企業や市場取引を通じて販売、得られた収益を投資家に還元する仕組みである。暗号資産はビットコインおよび米ドル連動型のダイ(DAI)を利用予定とし、法定通貨への交換・決済・配分を自動化する。特別目的会社(SPC)を新設し、ブロックチェーン上で全取引を公開するウォレットを管理することで、資金の流れを可視化する。投資家から暗号資産で出資を受け、法定通貨へ換金して開発資金に充当、発電後は収益を暗号資産で還元する運用設計とする。

 同社は報酬の一部をビットコインで受領し、暗号資産ベースで運用を行う方針。正式契約は2025年12月頃を予定しており、EUKA Power社およびエネルギー事業者・金融機関などとの協議を進める。基本合意の有効期間は2025年9月1日から1年間とされ、今後も進捗に応じて開示を行う。暗号資産を用いた国際共同蓄電プロジェクトとして、日本のエネルギー市場に新たな資金調達モデルを提示する取り組みである。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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