【日本初】のど画像でコロナ判定するAI医療機器が薬事承認

■AIが「のど画像」からコロナ診断、アイリスのnodocaに新機能

 アイリス(本社:東京都中央区)は2025年10月9日、のどの写真を用いて新型コロナウイルス感染症を判定するAI医療機器が薬事承認を取得したと発表した。AI搭載カメラ型医療機器「nodoca(ノドカ)」に追加された新機能で、日本国内でコロナ判定を目的としたAI医療機器の承認は初めてとなる。昨年12月に承認申請を提出し、約10カ月を経て実用化への道が開かれた。

■AI医療機器「nodoca」の進化と実績

 「nodoca」は2022年12月に販売開始され、のどの画像と問診情報をAIが解析し、医師の診断を支援する仕組みを持つ。インフルエンザ診療向けとして保険適用済みで、全国の医療機関に累計2,000台以上が導入され、10万人超の患者診療に活用されてきた。今回の新機能では、100万枚を超える咽頭画像データを基に開発されたAIが、新型コロナ感染の特徴を解析。既存の承認機器に一部変更申請を行い、正式な医療機器として承認を得た。

■産官学医連携で加速する「AI診療」普及

 今回の承認は、アイリスが採択されたNEDOの大型事業支援「ユニコーン・プロモーション・プログラム(UPP)」とも連動する。同社は国立研究開発法人産業技術総合研究所のスーパーコンピューター「ABCI」や、日本救急医学会の研究推薦を受けるなど、産官学医の連携でAI診療の社会実装を進めてきた。今回の新機能追加により、発熱外来の初期対応を支援し、検査や待機時間の負担軽減を目指す。同社は今後もAIを活用した医療機器の開発・普及を通じ、質の高い医療体制構築に取り組むとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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