パナソニック、「VIXELL」で冷凍寿司の米国空輸実証、マイナス22℃維持を確認

■10日間の空輸で温度変化なし、コールドチェーン構築を後押し

 パナソニック ホールディングス<6752>(東証プライム)グループのパナソニック株式会社は10月14日、真空断熱保冷容器「VIXELL(ビクセル)」を活用した冷凍寿司の米国空輸実証が成功したと発表した。特殊冷凍技術を手がけるデイブレイク株式会社が実施した検証に対し、同社はVIXELLを提供し、保冷輸送時の温度管理と品質維持を確認した。これにより、空輸における高品質冷凍食品の温度管理ソリューションとしてVIXELLの有効性が立証され、冷凍寿司をはじめとする日本発食品の国際コールドチェーン構築に寄与する可能性が示された。

 デイブレイクは冷凍寿司の海外展開を進め、2025年3月には日本から米国への海上輸送に成功していた。空輸は輸送期間が短い一方で、貨物の積み下ろしや機内環境による温度変動リスクが大きく、品質維持が難題とされていた。過去の検証では設定どおりの温度管理を実現できない事例もあり、同社は安定した品質保持を目指し、パナソニックの温度管理技術との連携を開始した。パナソニックは医薬品輸送で培った技術を応用し、冷凍寿司の繊細な温度制御を支援する体制を整備。デイブレイクの輸送ノウハウと組み合わせることで、高品質な空輸モデルの確立を図った。

 今回の実証は2025年8月29日に日本を出発し、9月9日に米国で受け取りまでの約10日間実施。輸送された5つのVIXELLボックスすべてがマイナス22℃以下を維持していたことが温度ロガーデータで確認された。結果として、空輸でも冷凍寿司の品質維持が十分に可能であることが証明された。両社はこの成果を踏まえ、冷凍食品の国際流通における温度管理の新たな標準化を目指す。パナソニックは引き続きデイブレイクと連携し、日本食の魅力を世界に届ける高品質な物流インフラ構築に貢献する方針である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■昔ながらの味わいを現代風にアレンジ、全国スーパーなどで展開  第一屋製パン<2215>(東証スタ…
  2.  日清食品ホールディングス<2897>(東証プライム)傘下の日清食品は8月18日、「カップヌードル…
  3. ■世界が注目する学問を豊富な事例とイラストで紹介  学研ホールディングス<9470>(東証プライム…
2025年10月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ピックアップ記事

  1. ■東京市場、リスクオンとリスクオフが交錯、安全資産関連株に注目  週明けの東京市場は、米国株反発に…
  2. ■公明党離脱ショック一服、臨時国会控え市場は模索  またまた「TACO(トランプはいつも尻込みして…
  3. ■自民党人事でハト派ムード先行、逆張りで妙味狙う投資戦略も  今週の当コラムは、ハト派総裁とタカ派…
  4. ■総裁選関連株が再び脚光、政権交代期待が市場を刺激  今週の最注目銘柄は、さいか屋<8254>(東…
  5. ■金先物関連株、最高値更新で安全資産需要が強まる  日本取引所グループ<8697>は9月24日、今…
  6. ■石破首相辞任表明後も市場は急落回避、投資家の買い意欲継続  「一寸先」は、不確実で予測が難しい。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る