
■石狩再エネデータセンター活用、環境配慮型AIインフラ構築を推進
データセクション<3905>(東証グロース)は10月8日、東急不動産ホールディングス<3289>(東証プライム)傘下の東急不動産とAIデータセンター事業における包括的業務提携に向けた覚書を締結したと発表。両社はエネルギー問題や環境負荷など、データセンター(DC)事業が抱える社会課題の解決を目指し、北海道石狩市に建設予定の「石狩再エネデータセンター第1号」を活用して、環境配慮型の次世代AIインフラ構築を推進する方針を示した。再生可能エネルギー100%で運用することで、持続可能なデジタル社会の基盤整備を進める狙いである。
今回の提携は、デジタル・トランスフォーメーション(DX)やAIの急速な普及によって国内外でDC需要が高まる中、電力消費増大と環境負荷への対応が求められている現状を踏まえたものだ。東急不動産は長期ビジョン「GROUP VISION 2030」のもと、「WE ARE GREEN」をスローガンに環境経営とDXを両輪とする経営方針を掲げており、再エネ事業との連携によってクリーン電力供給やバックアップ設備の強化を進めている。一方、データセクションはAI向けGPUクラスターを最適運用する独自アルゴリズム「TAIZA」を開発しており、プライベートクラウド運用やAIモデル連携のノウハウを有する。両社はそれぞれの強みを生かし、次世代型DCの開発・運用に取り組む。
データセクションの石原紀彦社長は、生成AIの進化に伴うエネルギー負荷増に対応しつつ、日本発のAIクラウド基盤を通じて世界市場をリードする意欲を示した。東急不動産の西田恵介常務執行役員も、「環境経営とDXの融合により、グローバルスタンダードとなる環境配慮型AIインフラの確立を目指す」とコメントした。石狩再エネデータセンター第1号は延床面積約1万1093平方メートル、受電容量15メガワットで2026年3月に竣工予定とされており、両社はこれを起点に持続可能なデータ社会の実現を図る。
■株価は急騰
株価は一時1989円の高値(11時14分時点)を付け、出来高も急増。提携による新規事業の収益化や国内AIインフラ市場でのポジション強化を見込んだ投資資金が流入している。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)