ゼリア新薬工業、中間期減益も供給正常化で収益回復基調、生産設備復旧し通期予想維持

(業績予想修正速報)
 ゼリア新薬工業<4559>(東証プライム)は10月31日に26年3月期第2四半期累計(以下、中間期)連結業績予想の下方修正を発表した。海外市場での前期の反動に加え、製造委託している工場で生産設備不具合が発生して十分な製品供給が受けられなかった一過性要因が影響する。ただし当該生産設備が復旧し、既に製品供給体制が正常化しているため、通期連結業績および配当予想を据え置いた。通期ベースでの収益拡大を期待したい。株価は年初来安値圏でモミ合う形だ。目先的には下方修正を嫌気する動きが優勢になる可能性もあるが下値限定的だろう。

■26年3月期中間期予想を下方修正だが通期予想据え置き

 26年3月期中間期の連結業績予想は、売上高が前年同期比5.8%減の399億60百万円、営業利益が43.6%減の36億40百万円、経常利益が66.7%減の26億50百万円、親会社株主帰属中間純利益が71.5%減の17億30百万円とした。

 前回予想(25年5月8日公表値、売上高430億円、営業利益50億円、経常利益50億円、親会社株主帰属中間純利益40億円)に対して、売上高を30億40百万円、営業利益を13億60百万円、経常利益を23億50百万円、親会社株主帰属中間純利益を22億70百万円、それぞれ下方修正した。海外市場において前期第4四半期に出荷が大幅に増加した反動に加え、アサコールの製造を委託している工場で生産設備の不具合が発生し、一定期間十分な製品供給が受けられなかった一過性要因が影響する。また経常利益と親会社株主帰属中間純利益については、ユーロや英ポンドなどの欧州通貨に対する急激なスイスフラン高の影響により、営業外費用で為替差損を計上することも影響する。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が前期比3.1%増の900億円、営業利益が1.6%減の120億円、経常利益が6.5%減の120億円、親会社株主帰属当期純利益が4.4%減の95億円としている。配当予想も据え置いて前期比1円増配の48円(第2四半期末24円、期末24円)としている。連続増配で予想配当性向は22.3%となる。

 当該生産設備が復旧し、既に製品供給体制が正常化しているため、通期では当初予想並みの水準に回復する見込みだ。なお為替相場の動向が不透明なため、営業外での為替差損益の発生は織り込んでいない。通期ベースでの収益拡大を期待したい。

■株価は下値限定的

 株価は年初来安値圏でモミ合う形だ。目先的には下方修正を嫌気する動きが優勢になる可能性もあるが下値限定的だろう。10月31日の終値は2001円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS215円52銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想の48円で算出)は約2.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2031円33銭で算出)は約1.0倍、そして時価総額は約1043億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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